―100人集めて、戦力になるのは何人か?
アポインターを100人採用したら、
実際に何人が「売上をつくれる戦力」になると思いますか?
テレアポ組織を立ち上げようとする際、多くの企業は次のように考えます。
- 「10人も採れば、何人かは当たるだろう」
- 「100人集めれば、さすがに組織として回るはずだ」
しかし、実際に残る戦力は一部に限られます。
本記事の目的
本記事では、私たちが過去に採用してきた
派遣・パートのテレアポ人材312人分の実データをもとに、
- 100人集めた場合、最終的に何人が戦力になるのか
- どのフェーズで、どれだけ脱落するのか
という問いを、数値データから検証します。
本記事における「戦力」の定義
本記事で言う「戦力」とは、以下すべてを満たす人材です。
- 一定の架電量を安定して継続できる
- 月単位でアポイントを継続的に創出できる
- 指示待ちではなく、自走して改善できる
- マネージャーの管理工数を大きく奪わない
単発で成果が出た人材は含みません。
再現性をもって組織の売上に寄与できる人材のみを戦力と定義します。
今回扱うデータの前提条件
集計期間2025/1~2025/6 6ヶ月間
本データの母数
| 項目 | 人数 |
|---|---|
| 面接人数 | 173人 |
| 採用人数 | 115人 |
① 架電商材の難易度
| 項目 | 内容 | 難易度 | 難易度が高い理由 |
|---|---|---|---|
| 商材特性 | BtoB向け無形商材 | ★★★★☆ | 実物や即効性を見せられず、電話口で価値・必要性を言語化する必要があるため |
| 架電先 | 決裁者(社長・役員・部長クラス) | ★★★★★ | 忙しく営業耐性が高く、冒頭数十秒で「聞く価値」を判断されるため |
| 架電種別 | 完全新規アウトバウンド | ★★★★★ | 事前接点がなく、信頼ゼロの状態から課題仮説と提案意図を伝える必要があるため |
| 単価 | 200万円以上 | ★★★★★ | 即決されにくく、投資対効果や検討プロセスを前提とした説明が求められるため |
| 商材例 | HP制作(制作+運用改善提案) | ★★★★☆ | 過去の失敗経験や既存制作会社があり、表面的な提案では差別化できないため |
| 総合評価 | ― | ★★★★★ | 複数の高難易度要素が同時に重なる、業界最難関クラスの架電条件 |
② 架電量(行動量)
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 1日あたり | 320件 |
| 1時間あたり | 約40件ペース |
③ スクリプト
- 業界別スクリプトあり
- 断り文句別の切り返し複数パターンを用意
④ 待遇
- 時給:2,000〜2,500円
- アポ獲得インセンティブ:あり
⑤ 勤務形態
- 週4日在宅+週1日出社
- 数字悪化時は翌週フル出社
⑥ 管理体制
- 管理者1人あたり:6〜8名
【全体像】面接した173人は最終的にどうなるのか
■ 表①:面接173人は最終的にどうなるのか(全体ファネル)
| フェーズ | 人数 | 面接173人に対する割合 |
|---|---|---|
| 面接 | 173人 | 100.0% |
| 採用 | 115人 | 66.5% |
| 入社当日欠勤・辞退 | 33人 | 19.1% |
| 実際に入社 | 82人 | 47.4% |
| 入社1ヶ月以内で離脱 | 66人 | 38.2% |
| 入社1ヶ月残った人数 | 16人 | 9.2% |
| 3ヶ月以上定着 | 7人 | 4.0% |
| 最終的に戦力化 | 7人 | 4.0% |
👉 面接173人のうち、最終的に戦力になるのは7人=約4.0%
■ 表②:入社後82人はどう絞られていくのか(入社後フェーズ詳細)
※こちらは「実際に入社した82人」を母数にした割合です。
| フェーズ | 人数 | 入社82人に対する割合 |
|---|---|---|
| 実際に入社 | 82人 | 100.0% |
| 入社1ヶ月以内で離脱 | 66人 | 80.5% |
| 入社1ヶ月残った人数 | 16人 | 19.5% |
| └ 真面目だが結果が出ない | 5人 | 6.1% |
| └ 1ヶ月以内に結果を出す | 11人 | 13.4% |
| 3ヶ月以上定着 | 7人 | 8.5% |
| 最終的に戦力化 | 7人 | 8.5% |
👉 入社できた82人のうち、戦力として残るのは7人=8.5%
この数字を見ると、「途中で一気に減っている」ように見えますが、
実際には各フェーズごとに、明確な脱落理由があります。
テレアポ組織では、
- 採用段階で落ちる人
- 初期稼働で落ちる人
- 真面目だが適性で落ちる人
- 結果は出るが定着しない人
が、段階的にふるいにかけられます。
ここからは、この173人が
どのタイミングで、なぜ減っていくのかを、フェーズごとに分解して見ていきます。
戦力の最低基準(数値定義)
以降のフェーズ説明では、次の基準を満たすかどうかを「戦力化」の判断軸とします。
- 架電数:1時間40件を安定維持
- アポ率:1.5%以上を継続
- 稼働:欠勤・遅刻が少なく安定
- 改善力:指摘を翌日から反映
- 自走性:SV常時介入なしでも数字維持
単発でアポが出た人材や、一時的に数字が跳ねた人材は含みません。
安定性と再現性を満たした人材のみを対象にしています。
フェーズ1:面接 → 採用
まず最初の関門が、面接から採用までの段階です。
- 面接:173人
- 採用:115人
- 採用率:66.4%
この段階ですでに、3.5割は採用に至りません。
これは能力以前に、テレアポという仕事そのものを「やりたい人」が少ないためです。
理由①
「オフィスワーク経験」を作るための“通過点”として応募してくる人が多い
派遣・パートのテレアポ採用では、
接客業やサービス業から事務職・一般職への転職を希望する人が一定数います。
この層の多くは、
- 本来やりたい仕事:事務職・バックオフィス
- 現実:未経験のため応募が通らない
- 代替案:一度テレアポに入り、「オフィスワーク経験あり」と履歴書に書きたい
という目的で応募してきます。
そのため、面接で業務内容を具体的に説明すると、
- テレアポ自体をやりたいわけではない
- 長期で続ける意思がない
- 数字目標や架電量に強い抵抗感がある
といったズレが顕在化します。この時点で、業務への意欲が弱い人材は採用しません。
なぜなら、テレアポは「とりあえず経験する仕事」では成立しないからです。
理由②
派遣・パート採用では「面接・入社日に来ない」こと自体が大きな選別要因になる
もう一つの大きな要因が、面接参加率と入社日の出勤率の低さです。
| フェーズ | 人数 | 採用した115人に対する割合 |
|---|---|---|
| 採用決定 | 115人 | 100.0% |
| 入社当日に出社 | 82人 | 71.3% |
| 当日までに辞退・当日欠勤 | 33人 | 28.7% |
今回の集計データでは、
115人を採用したうち、実際に入社当日に出社したのは82人でした。
残る33人(28.7%)は、入社日までに辞退、もしくは当日の欠勤となっています。
これは、採用した人材の約3割が、実際には初日を迎えることすらできないことを意味します。
派遣・パートのテレアポ採用においては、
- 採用決定後に連絡が取れなくなる
- 入社直前になって不安が勝り辞退する
- 当日に「体調不良」などを理由に欠勤する
といったケースが、構造的に一定割合で発生します。
その結果、「採用115人」=「戦力候補115人」ではなく、
実際にスタートラインに立つのは82人(71.3%)にまで減少するというのが現実です。
この時点で、すでに約3割の人員ロスが発生していることを前提に、
人員計画・育成計画を設計しなければ、後工程は確実に崩れます。
これは珍しいケースではなく、テレアポ業務は、
- 仕事のきつさが事前に想像しやすい
- 数字プレッシャーが明確
- 「とりあえず行ってみる」心理が働きにくい
これらの理由により、直前になって不安が勝ち、参加しない選択をする人が一定数出ます。
結果として、
「入社日に来る」「約束を守る」だけで、すでに選別がかかっている状態になります。派遣・パート採用においては、
スキル以前に「約束どおり来るか」「継続稼働できるか」という
基礎的な信頼要素を満たす人を見つけること自体が難しいのが実情です。
フェーズ1で基準を下げてはいけない理由
この段階で採用基準を下げると、次の問題が必ず発生します。
- 入社後すぐの欠勤・離脱が増える
- 育成対象が増え、管理工数が跳ね上がる
- 本来伸びる人材へのフォローが薄くなる
その結果、後工程全体が不安定になります。
採用段階は、「人を集めるフェーズ」ではありません。
後工程を成立させるために、意図的に人数を落とすフェーズです。この前提を持たずに営業組織の構築を進めると、
フェーズ2以降で想定以上の崩れが起きます。
フェーズ2:入社1ヶ月の壁
入社日出勤した82人が、全員現場に残るわけではありません。
| フェーズ | 人数 | 入社82人に対する割合 |
|---|---|---|
| 入社日に出勤 | 82人 | 100.0% |
| 初月離脱 | 66人 | 80.5% |
| 初月時点で残存 | 16人 | 19.5% |
このフェーズの脱落理由は、一つです。
想定していた仕事量・精神負荷とのギャップです。
- 断られ続ける
- 声を出し続けるのがきつい
- 架電ペースについていけない
- 周囲と比較して焦る
この時点で欠勤や遅刻が出る人材は、
その後も稼働が安定しません。テレアポは、改善以前に稼働が成立するかどうかが最初の分岐点です。
フェーズ3:真面目だが成果が出ない層
| フェーズ | 人数 | 残った16人に対する割合 |
|---|---|---|
| 初月時点で残存 | 16人 | 100.0% |
| 真面目だが成果が出ない | 5人 | 31.3% |
| 成果を出せている | 11人 | 68.8% |
初週を超えた人材の中でも、真面目だが成果が出ない人材です
この人材は、
- 遅刻しない
- 架電数も一定以上
指示も守る
にもかかわらず、アポ率が上がりません。
原因は、
- 声のトーン
- 会話の組み立て
- 相手反応への対応力
といった適性領域にあります。この層に時間を使いすぎると、
- 録音チェック
- ロープレ
- フィードバック
が増え、管理者の工数が最も消費されます。
努力と成果が比例しない人材を、どこで見極めるか。
ここが、組織として最も判断が求められるフェーズです。
フェーズ4:1ヶ月以内に結果を出す人
一方で、早い段階から結果を出す人材も存在します。
※割合は「初月時点で残った16人」を母数
| フェーズ | 人数 | 16人に対する割合 |
|---|---|---|
| 初月時点で残存 | 16人 | 100.0% |
| 1ヶ月以内に結果を出す | 11人 | 68.8% |
入社初月を超えて残った16人の中には、
早い段階から結果を出す人材が11人(68.8%)存在しました。
この層に共通しているのは、
- 初期からトークスクリプトの読み切り率が高い
- 教えた内容をすぐ実践に移す
- 断られても切り替えが早く、感情のブレが小さい
といった特徴です。
重要なのは、
この「初月で結果が出る兆候」が、その後の戦力化と強く相関するという点です。
逆に言えば、
初月時点でこの兆候が見えない人材を、
育成だけで戦力水準まで引き上げるのは容易ではありません。
テレアポ組織における育成とは、
全員を伸ばす作業ではなく、初期から兆候が出ている人材を戦力水準まで引き上げる工程です
フェーズ5:定着
※割合は「1ヶ月以内に結果を出した11人」を母数
| フェーズ | 人数 | 11人に対する割合 |
|---|---|---|
| 1ヶ月以内に結果を出す | 11人 | 100.0% |
| 3ヶ月以上安定稼働 | 7人 | 63.6% |
| 結果は出たが定着せず | 4人 | 36.4% |
1ヶ月以内に結果を出した人材は11人いました。
しかし、結果が出たからといって、全員が組織に定着するわけではありません。
実際に、**3ヶ月以上安定して稼働したのは7人(63.6%)**にとどまり、
残る4人(36.4%)は、成果を出しながらも定着せずに離脱しています。
このフェーズで分かるのは、
テレアポ組織では**「成果」と「定着」は別物**だという現実です。
結果が出ていても、
- 感情の波が大きい
- プレッシャーに耐えきれない
- 働き方・環境とのミスマッチ
- モチベーションの急低下
といった要因で、一定数は離脱します。
その結果、
初期に結果を出した11人のうち、最終的に残るのは7人。
ここでも約4割が削られることになります。
まとめ
全体像から分かるのは、
テレアポ組織は一気に減るのではなく、段階的に削られるという点です。
だからこそ、
- どのフェーズで
- どの理由で
- どれくらい減るのか
を前提に設計しなければ、
「思ったより人材が残らない」という結果になります。
この前提を持たずにテレアポ内製化
をすると、ほぼ確実に失速します。
【結論】
115人を採用して、最終的に戦力になるのは「7人」。
ここまで見てきたとおり、私たちの現場では、
173人が面接に来ても、最終的に「戦力」と定義できる人材は7人でした。
これは一時的な結果や、特定期間だけの数字ではありません。
派遣・パートのテレアポ人材173人分の採用・稼働・成果データを、
同一条件で継続的に追った実測値です。
面接を受けた173人のうち、
実際に入社日に出社したのは82人。
その後、初月で66人が離脱し、
残った16人の中から、
真面目だが成果が出ない5人がふるいにかかり、
早期に結果を出した11人のうち、
最終的に3ヶ月以上安定して稼働したのが7人でした。
その結果、
- 面接173人 → 戦力7人 = 約4.0%
- 採用115人 → 戦力7人 = 約6.1%
という水準に収束しています。
「3割くらいは残るだろう」
「10人に1人くらいはいけるのではないか」
こうした感覚と比べると、
想像以上に低い数字だと感じる方も多いはずです。
しかし、この約4〜6%という戦力化率は、
どこか一箇所で大量に落ちている結果ではありません。
- 採用後に入社日を迎えられない層
- 初月で稼働が成立しない層
- 真面目でも成果に結びつかない層
- 結果は出ても定着しない層
こうした各フェーズで必ず一定割合ずつ発生する脱落要因が、
段階的に積み上がった結果として残るのが7人です。
つまりこの数字は、
**極端な失敗例ではなく、
同条件で運用すれば構造的に発生する「現実的な到達点」**だということです。テレアポ組織において、
「採用した人数=戦力になる人数」ではありません。
173人を面接して初めて、
組織の売上を再現性をもって支えられる人材が7人残る。それが、私たちの現場データから見えた、
最も現実的な結論です。
この現実から言える3つの事実
① 採用は「数前提」で設計しなければ、必ず破綻する
テレアポ組織では、
採用人数=戦力人数にならないことが前提条件です。
フェーズ1〜3を見れば分かるとおり、
- 面接段階で落ちる
- 初週で稼働が成立しない
- 真面目でも適性がなく伸びない
といった脱落は、例外ではなく常に一定割合で発生します。
この前提を織り込まずに人員計画や売上計画を立てると、
「想定より人が残らない」という事態が必ず起きます。
採用は、
「何人集めるか」ではなく「何人残すために、何人集めるか」
という逆算設計が必要です。
② 育成で救える人数には、明確な上限がある
テレアポは、努力量と成果が比例しない業務です。
フェーズ3で見たように、
- 真面目
- 稼働もしている
- 指示も守る
それでも成果が出ない人材は一定数存在します。
この層に無制限に育成工数を投下すると、
- 管理者が疲弊する
- 改善が回らなくなる
- 伸びる人材への支援が薄くなる
という状態になります。
育成は、全員を戦力にする作業ではありません。
初期兆候がある人材を、戦力水準まで引き上げるための工程です。
この線引きを曖昧にすると、組織全体が消耗します。
③ 人数が増えるほど、管理工数は比例せずに膨らむ
テレアポ組織では、人が増えるほど管理が楽になることはありません。
むしろ、
- 録音チェック
- KPI管理
- ロープレ
- メンタルフォロー
といった業務が増え、管理者の負荷は人数以上のペースで増加します。
特に、戦力化前の人材が多い状態では、
- 管理者1人あたりの担当人数が増える
- 改善が追いつかなくなる
- 全体の数字が落ちる
という悪循環に入ります。人数を増やす判断は、
管理工数を同時に増やせるかどうかとセットで考えなければ成立しません。
取るべき行動(明確な方針)
ここまで示してきた実データと各フェーズの実態を踏まえると、
テレアポ内製化をする企業が取るべき行動は、次の3点に集約されます。
① 戦力化率7%を前提に、人員計画を立てる
まず最初に確定すべき前提は、
採用した人材の大半は、最終的に戦力にならないという事実です。
本記事のデータでは、
- 面接173人
- 最終的に戦力化:7人
という結果になっています。
この数字を無視して、
- 「10人採れば3人くらいは残るだろう」
- 「30人いれば組織として回るはずだ」
といった感覚で人員計画を立てると、
初期段階から必ず計画が崩れます。
テレアポ組織では、
- 採用数
- 稼働人数
- 戦力人数
は、それぞれ別物です。
したがって企業は、
- 最終的に何人の戦力が必要なのか
- そのために、何人を面接し、何人を採用する必要があるのか
を、戦力化率7%前後を前提に逆算して設計する必要があります。これを行わない限り、
売上計画と人員計画は一致しません。
② 初月KPIで「見極め基準」を明文化する
次に必要なのが、感覚ではなく数値での見極めです。
本文で見てきたとおり、テレアポでは、
- 真面目
- 稼働している
- 態度も悪くない
それでも成果が出ない人材が、一定数必ず存在します。
このときに、
- 「もう少し様子を見よう」
- 「頑張っているから、もう一段育てよう」
という判断を繰り返すと、
育成工数が膨張し、管理者が疲弊します。
そのため、企業は初月の段階で次を明文化する必要があります。
- 架電数の最低基準
- アポ率の最低基準
- 改善指摘に対する反映スピード
- 稼働安定性(欠勤・遅刻の有無)
これらをKPIとして固定し、
- 基準を満たす人材は育成対象
- 満たさない人材は戦力化対象から外す
という判断を、個人の感情ではなくルールで行う必要があります。
育成とは、全員を救うことではありません。
伸びる前提がある人材に、工数を集中させる行為です。
③ 管理者1人あたり8名以内を厳守する
最後に、最も軽視されがちですが、最も重要なのが管理体制です。
テレアポ組織では、管理者が担う業務は次のように多岐にわたります。
- 架電数・アポ率などKPI管理
- 録音チェック
- トーク改善指示
- ロープレ
- メンタルフォロー
- 稼働不安定者への対応
これらは、人が増えれば自動化できるものではありません。
そのため、
- 管理者1人あたりの担当人数が増える
→ 1人あたりに割ける時間が減る
→ 改善が浅くなる
→ 数字が伸びない
→ さらにフォローが必要になる
という悪循環に入ります。
本記事のデータでは、
管理者1人あたり6〜8名が、改善と育成を回せる上限でした。
これを超える場合は、
- 管理者を増やす
- 採用ペースを落とす
- 内製化そのものを見直す
いずれかの判断が必要になります。
内製と外注、どっちを選ぶべきか
内製に向いている会社
- 採用・育成・マネジメントを片手間ではなく事業として実行できる
- 高利益商材で採用ミスや育成コストを吸収できる
- 中長期で営業組織を資産化したい
内製の本質は、アポ獲得ではなく、採用→育成→改善→定着の仕組みを自社に持つことです。
内製化で最低限設計すべき項目は次の通りです。
- 採用母集団の確保方法
- 初週のフォロー体制
- 見極め基準(数値)
- 残す人/手放す人のルール
- 定着設計(勤務形態・評価・環境)
- KPIと評価の明確化
- マネージャー工数の確保方法
外注に向いている会社
- 早期に商談数を増やしたい
- 管理工数を増やしたくない
- まず勝ち筋を検証したい
- 変動費でリスクを抑えたい
将来的な内製化を見据え、最初は学びを買いたい
外注の価値は、人員調達ではなく、成果に近づく運用の型を短期間で導入できる点です。
そのため、現実的には次のハイブリッド設計が多くなります。
- 初期は外注で型を作る
- 数字が出る条件を特定する
- 一部を内製化し、内製比率を上げる
「100人集めれば何とかなる」という発想を捨ててください。
テレアポ組織は、
- 気合
- 根性
- 人数
で成立する組織ではありません。
確率(戦力化率)と構造(採用・育成・管理設計)を前提に設計できるかどうか。
それが、テレアポ内製化の成否を分けます。
ここまで示した条件を満たせない場合、
企業は無理に内製化を進めるべきではありません。
それが、
テレアポ内製化で失敗しないための、唯一の現実的な方針です。
今回のデータは、
テレアポ組織の現実として、あまりにも厳しい数字を突きつける結果となりました。
この記事をここまで読んで、
「思った以上に残らない」「内製は無理なのではないか」と
落胆された方もいるかもしれません。
ただし、本記事のデータは、
すべてのテレアポ業務に当てはまるものではありません。
今回扱っているのは、
- 完全新規のアウトバウンド架電
- 既存顧客や問い合わせへの受電ではない
- まだ関係性のない企業の決裁者に対して電話をかける
- 断られることが前提で、
時には厳しい言葉をかけられることもある - 精神的なストレスが大きい業務
という、テレアポの中でも特に負荷の高い発信業務のデータです。
- 受電中心のコールセンター
- 既存顧客へのフォロー架電
- 問い合わせ対応が主なインサイドセールス
といった業務と比べれば、
戦力化率が低く出るのは構造的に当然とも言えます。
一方で、
- これから新規営業のテレアポを内製化しようとしている企業
- 完全アウトバウンドで商談数を作る必要がある企業
- 「気合と人数」で組織を作ろうとしている企業**
にとっては、
本記事のデータは、
**理想論ではなく、現場で実際に起きている“現実の確率”**を示すものです。
この数字は、
テレアポという仕事を否定するためのものではありません。
むしろ、無理な期待や誤った設計で現場を疲弊させないための、
現実的な判断材料として提示しています。新規アウトバウンドという厳しい環境だからこそ、
ここで示したデータが、
これからテレアポ組織をつくる企業にとって、
少しでも現実的な設計と意思決定の助けになれば幸いです。

