営業代行会社の過去の架電データで徹底分析
営業組織の立ち上げや、インサイドセールスの改善でよくあるのが、
「通話時間を伸ばせばアポが増える」「話が長い方が商談化する」という考え方です。
結論から言うと、受注につながるアポに関しては、通話の“長さ”よりも 会話比率(誰が話しているか) が成果を大きく左右します。
本記事では、実際に集計したデータをもとに
- 受注につながるアポが取れる 会話比率の最適値
- 受注につながるアポが取りやすい 通話時間の最適値
- その結果から見える 営業組織の改善ポイント
を整理します。
データ元(本記事で使用した集計データ)
本記事の数値は、弊社で実施したテレアポ架電の実績データを集計したものです。
- 商材:Web制作(ホームページ制作)
- ターゲット業界:HPが必要な業界全般(業界限定なし)
- アポイント取得先:Web担当者/代表取締役
- 集計内容:
- 会話比率(アポインター:お客様)別の、アポ率・受注率
- 通話時間(分数)別の、アポ獲得後の受注割合(アポ→受注率)
1. 本記事の結論
結論①:会話比率の最適ゾーンは「4:6(お客様:アポインター)」
会話比率をレンジ別に集計した結果、
アポ率が高く、かつ受注につながりやすいピークは 4:6 でした。
| 会話比率(お客様:アポインター) | アポ率 | 所感 |
|---|---|---|
| 3:7 | 8.16% | 4:6に次いで高い |
| 4:6(ピーク) | 8.37% | アポ率が高く、かつ受注にもつながりやすい傾向 |
| 5:5 | 7.31% | 比較するとやや低い |
表1
さらに「架電総数に対する受注割合」まで含めると、4:6が最も高くなっています。
| 会話比率(お客様:アポインター) | アポ率 | 架電総数に対する受注割合 | 所感 |
|---|---|---|---|
| 3:7 | 8.16% | 2.02% | アポ率は高水準だが、受注割合は4:6に劣る |
| 4:6(ピーク) | 8.37% | 2.37% | アポ率・受注割合ともに最も高い |
| 5:5 | 7.31% | 2.08% | アポ率は低めだが、受注割合は3:7より高い |
表2
つまり「アポが取れる」だけではなく、“受注につながるアポ”の質まで含めて見ると、アポインターが6割話す状態(4:6)が最も安定しやすい、という結果です。
結論②:通話時間の最適レンジは「8〜11分(ピークは10分)」
通話時間(分)別に「獲得アポからの受注割合」を集計すると、
8〜11分が高水準で、特に10分がピークでした。
| 通話時間(分台) | 獲得アポからの受注割合 | 内訳(獲得アポ数 → 受注数) |
|---|---|---|
| 8分 | 32.46% | 191件 → 62件 |
| 9分 | 29.41% | 119件 → 35件 |
| 10分(ピーク) | 35.44% | 79件 → 28件 |
| 11分 | 31.15% | 61件 → 19件 |
| 12分 | 30.77% | 39件 → 12件 |
表3
一方で、短いレンジ(4〜5分)は20%台前半に落ち、
長いレンジ(13分以降)は平均的に落ちやすい傾向が出ています。
2. 分析①:会話比率で成果が変わる(アポ率と受注率)
会話比率ごとのアポ率を見ると、違いが明確に出ます。
2-1. アポ率が高いのは「3:7〜4:6」

表4
つまり、アポ獲得の観点では
お客様が3〜4割話している状態(3:7〜4:6)が最も強い結果になっています。
2-2. “受注まで含めた最終成果”で見ると「4:6」が最も強い
アポの量だけでなく、「架電総数に対する受注割合」まで見ると、さらに差が出ます。

表5
結論として、受注につながるアポを安定的に作るなら、お客様4割・アポインター6割が最適ゾーンです。
3. 分析②:通話時間は“長いほど良い”ではない
通話時間(分数)別の「アポ→受注割合」を見ると、こちらも違いが出ます。

表6
3-1. 8〜11分が高水準、ピークは10分
| 会話時間 | 総架電数に対するアポ率 |
|---|---|
| 8分 | 32.46% |
| 9分 | 29.41% |
| 10分(ピーク) | 35.44% |
| 11分 | 31.15% |
表7
3-2. 短すぎる(4〜5分)は弱い
| 会話時間 | 総架電数に対するアポ率 |
|---|---|
| 4分 | 22.18% |
| 5分 | 20.00% |
表8
短い通話はテンポが良く見えますが、
受注につながる観点では、必要情報を取り切れていない可能性が高いことが示唆されます。
3-3. 長すぎる(13分以降)は落ちやすい
| 会話時間 | 総架電数に対するアポ率 |
|---|---|
| 13分 | 21.21% |
| 14分 | 6.25% |
表9
13分を超えると、平均的に落ちやすい傾向が見えます。
実務的には、通話が長引く背景として「状況整理ができていない」「決裁構造が曖昧」「説明が長い」などが混ざるケースが多く、結果に影響しやすいポイントです。
4. まとめ:勝ちパターンは「会話比率」×「通話時間」で作れる
今回のデータから言えることはシンプルです。
| 項目 | 最も強い傾向(結論) | 補足 |
|---|---|---|
| 会話比率 | 4:6(お客様:アポインター) | お客様の発話とアポインターの提案が一番いいバランス |
| 通話時間 | 8〜11分(ピーク:10分) | 10分が最も強く、8〜11分帯が安定ゾーン |
表10
「長く話す」「短く終わらせる」といった通話時間の議論だけでは、改善がズレやすいです。
成果が安定しているゾーンが存在する以上、通話の質を評価する際は “誰がどれだけ話しているか” を中心に見る方が、受注につながるアポを再現しやすくなります。

