新人営業が商材を覚えるコツ|部署と業務プロセスで整理する方法

目次

商材を顧客の仕事に結びつけて理解する方法

新人営業が最初に向き合うテーマの一つが、商材理解です。

商材名、機能、価格、導入事例、競合比較、提案トーク。
覚えることは多く、最初からすべてを整理するのは簡単ではありません。

特に、複数の商材を扱う営業では、

「どの商材を、どんな場面で提案すればいいのか」
「機能は覚えたけれど、顧客への説明につながらない」
「商材同士の違いが分かりにくい」

という状態が起こりやすくなります。

そこで大切になるのが、商材を単体で見るのではなく、顧客の部署と業務プロセスに紐づけて理解することです。

商材は、必ずどこかの部署の業務に関係しています。

人事部なら、人を採用し、育て、定着させる。
経理部なら、請求・支払い・仕訳・決算を行う。
情報システム部なら、社内のIT環境やセキュリティを支える。
総務部なら、社内環境や社内手続きを整える。

このように「誰のどの業務に関係する商材なのか」を見ると、商材理解は整理しやすくなります。


商材理解が難しくなる理由

新人営業の商材理解では、次のような順番で学ぶケースが多くあります。

商材名を覚える

機能を覚える

価格を覚える

提案トークを覚える

顧客に説明する

この順番で商材を押さえることも必要です。

ただし、商材名や機能を覚えるだけでは、商談で十分に活用しきれないことがあります。

商談では、機能そのものに加えて、顧客の業務にどう関係するのかまで整理して伝えることが大切です。

たとえば、次のような視点です。

「どの業務に関係するのか」
「何が楽になるのか」
「どこが改善されるのか」
「なぜ今、検討する意味があるのか」

この視点までつなげられると、商材説明は提案に近づきます。

そのためには、商材を見る前に、まず顧客側の仕事を理解する必要があります。


まず覚えたい部署の役割

新人営業が最初に押さえたいのは、企業の中にある主な部署と、その役割です。

部署の役割が分かると、商材が「誰の何に効くものか」を考えやすくなります。

部署何をしている部署か新人営業が押さえるべき見方
人事部採用、育成、評価、労務、定着を扱う人に関する課題を見る部署
マーケティング部認知拡大、集客、広告運用、見込み客づくりを行う集客や問い合わせを増やす部署
広報部会社やサービスの認知、信頼、ブランドイメージを高める会社の見え方を整える部署
経理部請求、支払い、経費精算、仕訳、決算を行うお金の流れを正確に処理する部署
財務部資金調達、資金管理、予算管理、投資判断を行う会社のお金の使い方を管理する部署
総務部備品管理、社内環境整備、契約管理、社内手続きを行う会社全体が円滑に動くよう支える部署
情報システム部社内システム、PC、アカウント、セキュリティを管理するIT環境を安全に保つ部署
法務部契約書確認、法的リスク管理、コンプライアンス対応を行う契約や法律面のリスクを見る部署
経営企画部経営戦略、予算、KPI、事業計画を考える経営判断に必要な情報を整理する部署
事業企画部新規事業や既存事業の成長戦略を考える事業を伸ばす仕組みを考える部署
商品企画部顧客ニーズをもとに、新しい商品やサービスを企画する売れる商品・サービスを考える部署
開発部商品、サービス、システム、プロダクトを開発する企画を形にする部署
製造部・生産部商品をつくり、生産量や納期を管理するモノづくりの現場を動かす部署
品質管理部商品やサービスの品質を確認し、不良やミスを防ぐ品質を安定させる部署
購買部・調達部原材料、商品、備品、外部サービスを仕入れる必要なものを適切に調達する部署
物流部商品の保管、在庫管理、配送、納品を行うモノの流れを管理する部署
カスタマーサポート部顧客からの問い合わせやトラブルに対応する顧客の困りごとを解決する部署
カスタマーサクセス部導入支援、活用促進、継続利用、追加提案を行う顧客に成果を出してもらう部署
コールセンター部門電話やチャットで顧客対応を行う多くの問い合わせを効率よく処理する部署
店舗運営部店舗スタッフ、売上、接客品質、在庫を管理する店舗を安定して運営する部署
監査部社内ルールや業務が正しく行われているか確認する不正やミスを防ぐ部署

この表で見るべきなのは、部署名の暗記よりも、その部署が何をしていて、どんな商材と関係しそうかです。

人事部なら、人の採用・育成・定着。
経理部なら、請求・支払い・仕訳・決算。
情報システム部なら、IT環境・アカウント・セキュリティ。

部署の役割を押さえると、商材を業務に結びつけて考えやすくなります。


商材は業務プロセスに置いて考える

商材を理解するときは、次の順番で整理すると分かりやすくなります。

部署を見る

業務の流れを見る

どこに負担・ミス・不安があるかを見る

商材をその課題に紐づける

顧客に伝える価値を考える

たとえば、同じ「管理システム」でも、どの部署のどの業務に関係するかで意味が変わります。

人事部なら、応募者管理や入社手続き。
経理部なら、請求書管理や支払い承認。
情報システム部なら、アカウント管理やIT資産管理。

商材名から入るのではなく、業務の流れに置いて考える。
これだけで、商材の役割が見えやすくなります。


例1:人の流れで考える

ここでは例として、人が会社に入る前から、入社後に活躍・定着するまでの流れで考えます。

人材領域の記事としてではなく、商材を業務プロセスで理解する例として扱います。

採用計画を立てる

人を集める

会社に興味を持ってもらう

応募してもらう

応募者を管理する

書類を見る

候補者を見極める

面接する

内定を出す

入社してもらう

入社後に育てる

活躍してもらう

辞めないようにする

この流れに商材を当てはめると、次のように整理できます。


人の流れ × 解決する商材

商品名は、商材カテゴリーをイメージしやすくする一例です。
特定商品の推奨ではなく、カテゴリー理解を助ける例として記載しています。

人の流れ企業・人事の悩み商材カテゴリー商品例新人営業向けの覚え方
採用計画を立てるどんな人を採るべきかわからない。採用基準が曖昧採用分析・人材要件整理ミイダス採るべき人を整理する商材
人を集める応募が来ない。求める人材に出会えない求人媒体・求人広告リクナビNEXT候補者を集める商材
会社に興味を持ってもらう会社の魅力が伝わらない。他社と比較されて負ける採用広報・採用ブランディングWantedly会社の魅力を届ける商材
応募してもらう求人を見られても応募につながらない採用サイト・応募導線改善Airワーク 採用管理応募しやすくする商材
応募者を管理する応募者が多くて管理できない。連絡漏れが起きる採用管理システム・ATSHRMOS採用採用業務を整える商材
書類を見る履歴書や職務経歴書を見る時間がない。判断が属人化するAI選考支援・書類選考支援sonar AI書類確認を支える商材
候補者を見極める面接だけでは判断できない。ミスマッチが怖い適性検査・アセスメントSPI3採用判断を支える商材
面接する日程調整が大変。遠方候補者との面接が難しいWeb面接・録画面接ツールharutaka面接を進めやすくする商材
内定を出す内定辞退される。入社意欲が下がる内定者フォローエアリーフレッシャーズクラウド内定辞退を抑える商材
入社してもらう書類回収や労務手続きが大変入社手続き・労務管理SmartHR入社手続きを整える商材
入社後に育てる新人がなかなか戦力化しない。教育が属人化する研修・eラーニングSchoo for Business入社後の成長を支える商材
活躍してもらう社員の強みやスキルが見えない。適切な配置ができないタレントマネジメントカオナビ人を活かす商材
辞めないようにする早期離職が多い。社員の不満に気づけないエンゲージメントサーベイWevox離職リスクを見える化する商材

人事の表の見方

商品名だけで判断せず、人の流れのどこに関係するかで見ます。

求人媒体は「人を集める」工程。
採用管理システムは「応募者を管理する」工程。
適性検査は「候補者を見極める」工程。
研修サービスは「入社後に育てる」工程。

こうして業務の流れに置くと、商材説明が自然になります。

「この機能があります」という説明に加えて、
「この業務がこう変わります」と話せるようになります。


例2:経理の流れで考える

次に、経理部を例にします。

経理部は、請求・支払い・仕訳・決算を通じて、会社のお金の流れを整える部署です。

業務の流れは、次のように見ると整理しやすくなります。

請求書を受け取る

内容を確認する

承認する

支払う

仕訳する

月次決算をする

レポートする

この流れに商材を当てはめると、次のようになります。


経理の流れ × 解決する商材

商品名は、商材カテゴリーをイメージしやすくする一例です。
特定商品の推奨ではなく、カテゴリー理解を助ける例として記載しています。

経理の流れ企業・経理部の悩み商材カテゴリー商品例新人営業向けの覚え方
請求書を受け取る紙・メール・PDFなど、受け取り方がバラバラで管理しづらい請求書受領サービスBill One請求書を集約する商材
内容を確認する金額、取引先、明細、支払期日の確認に時間がかかる請求書処理・データ化サービスTOKIUMインボイス確認作業を軽くする商材
承認する誰で承認が止まっているか分からないワークフロー・承認システムジョブカンワークフロー承認の停滞を見える化する商材
支払う支払い漏れ、二重支払い、入力ミスが怖い支払管理・経費精算システム楽楽精算支払いミスを抑える商材
仕訳する手入力が多く、転記ミスや作業時間が発生するクラウド会計・仕訳自動化freee会計仕訳入力を減らす商材
月次決算をする月次締めに時間がかかる。未処理の確認が大変クラウド会計・月次締め管理マネーフォワード クラウド会計Plus月次決算を早める商材
レポートする経営状況をすぐに把握できない。集計に時間がかかる経営管理・予実管理システムLoglass経営管理経営数値を見える化する商材

経理の表の見方

こちらも、商品名だけで判断せず、経理のどの工程に関係するかで見ます。

Bill Oneは「請求書を受け取る」工程。
ジョブカンワークフローは「承認する」工程。
freee会計は「仕訳する」工程。
Loglass経営管理は「レポートする」工程。

こう考えると、経理向け商材もバラバラに見えません。

請求書を集める。
確認する。
承認する。
支払う。
仕訳する。
月次決算を進める。
経営数値を見る。

この流れの中で、商材の役割を整理できます。


機能説明を、業務の言葉に変える

新人営業が商談でつまずきやすいのは、説明が機能中心になるときです。

機能中心の説明業務の言葉に変えた説明
応募者管理機能があります応募者が増えても、対応状況を一元管理できます
日程調整機能があります面接調整の手間を減らせます
自動集計機能があります手作業の集計時間を削減できます
アラート機能があります対応漏れや確認漏れに気づきやすくなります
レポート機能があります状況を可視化し、次の判断がしやすくなります

同じ商材でも、伝え方で印象は変わります。

営業では、「何ができるか」に加えて、次の視点まで伝えると価値が届きやすくなります。

何が楽になるのか。
何が減るのか。
何が見えるようになるのか。
どんな判断がしやすくなるのか。

ここまで言えると、商材説明は提案に近づきます。


まとめ

新人営業が商材を理解するときは、商材名や機能だけを見るのではなく、まず顧客側の仕事に目を向けます。

見る順番は、シンプルです。

部署

業務の流れ

課題

商材

提案価値

人事部なら、人の流れ。
経理部なら、お金の流れ。
情報システム部なら、IT環境の流れ。

このように整理すると、商材の役割が見えやすくなります。

商材を単体で覚えるのではなく、
どの部署の、どの業務を、どう変える商材なのかで理解する。

この視点があると、機能説明で終わらず、顧客の仕事に結びついた提案ができるようになります。

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この記事を書いた人

テレアポ営業・インサイドセールスを専門とし、数多くの商談創出を担当。単なるアポイント獲得ではなく、受注につながる質の高い商談設定を得意としている。
これまでさまざまな業界・商材の営業支援に携わり、受付突破から決裁者アプローチ、商談化までのプロセス設計を経験。
本メディアでは、テレアポ手法、アポイント獲得ノウハウ、インサイドセールス運用に関する情報を発信。

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