入退室管理システムの営業で商談が取れない時に見直すべきリスト選定と導線設計

この記事は、弊社が実際に相談を受けた入退室管理システムの営業戦略をもとにした内容です。

きっかけは、既存オフィスに対して「今の入退室管理を切り替えませんか」とテレアポやDMでアプローチしても、商談が1件も取れなかったという相談でした。そこから、営業戦略の見直しからテレアポの組み立てまで依頼を受けました。

このときに整理したのは、商品説明をどう変えるかではありません。既存オフィスに切り替えを迫る営業ではなく、入退室管理が自然に検討されるタイミングに入り込む営業へ切り替えることです。

結論として、既存企業へ直接リプレイス提案を続けるより、オフィス移転や増床に関わる内装会社・オフィス仲介会社へアプローチし、その会社の提案導線に入る方が、商談化・受注につながりやすくなります。

本記事では、なぜ既存オフィスへのリプレイス営業で反応が取れにくいのか、どのように営業リストを選定すべきか、内装会社やオフィス仲介会社へどのように提案すべきかを、実体験をもとに整理します。

入退室管理システムの営業では、既存オフィスに対して「今のシステムを切り替えませんか」と提案するケースがあります。

オフィスがある。
社員が出入りしている。
セキュリティ管理が必要。
すでに何らかの入退室管理システムを使っている。

条件だけを見ると、営業対象は広く見えます。

しかし、リプレイス営業で成果を出すには、単に「入退室管理システムを使っていそうな会社」を集めるだけでは不十分です。

重要なのは、顧客が選び直す理由を持っているかどうかです。

現在の仕組みで大きな問題が起きていない企業は、簡単には切り替えません。

BtoB営業では、商品を必要としそうな会社を広く集めるより、検討が自然に発生するタイミングを押さえる必要があります。

入退室管理システムであれば、その代表的なタイミングがオフィス移転、増床、新拠点開設です。

目次

既存オフィスへのリプレイス営業が難しい理由

入退室管理システムは、業務を支える重要な設備です。

社員が問題なく出入りできている。
外部の侵入を防げている。
管理上の大きなトラブルが起きていない。

この状態であれば、顧客にとって切り替えは優先事項から外れやすくなります。

営業側の提案顧客側の受け止め
今より便利になります今のままでも大きく困っていない
管理しやすくなります切り替え作業が面倒に見える
セキュリティを強化できます現状トラブルがなければ後回しになる
コストを下げられます稟議や社内調整の負担が先に見える
メルマガで案内すれば反応が取れる今検討していなければ読み流される

切り替えには、既存システムとの比較、社内確認、稟議、工事、設定変更、社員への周知が発生します。

営業側が伝えるメリットよりも、顧客側が感じる手間が大きく見えると、商談は前に進みません。

リプレイス営業で見るべきなのは、「既存システムを使っている会社」ではありません。
「既存システムを見直す理由がある会社」です。

狙うべきは「切り替え」ではなく「選び直し」のタイミング

入退室管理システムが自然に検討される代表的なタイミングが、オフィス移転です。

移転時には、内装、レイアウト、受付、会議室、セキュリティ、鍵管理、入退室管理などをまとめて見直します。

既存オフィスへの営業では、提案は「今あるものを変える話」です。

一方、移転時の営業では、「新しいオフィスに必要な設備を決める話」です。

項目既存オフィスへの営業オフィス移転時の営業
顧客の状態現状維持が前提新しく決める前提
提案の見え方今あるものを変える話新オフィスに必要な設備の話
検討理由営業側が作る必要があるすでに発生している
優先順位後回しにされやすい移転日までに決める必要がある
商談の進み方「検討します」で止まりやすい期限があるため進みやすい

入退室管理を決めなければ、社員の出入りをどう管理するかが決まりません。

受付まわりの運用を決めなければ、来客対応の流れも曖昧なままです。

会議室や執務室の入室権限を決めなければ、セキュリティ設計も固まりません。

移転時の入退室管理は「あったら便利なもの」ではなく、「決めないと困るもの」として扱われます。

この違いが、受注率と商談スピードに影響します。

入退室管理の提案は、周辺相談と一緒に発生する

入退室管理システムの営業では、入退室管理だけを単体で考えすぎないことも重要です。

オフィス移転の現場では、顧客は「入退室管理だけ」を切り離して考えているわけではありません。

新しいオフィスで、社員がどう出入りするのか。
来客をどう受け付けるのか。
会議室や執務室の権限をどう分けるのか。
ネットワークやPC移設と工事日程をどう合わせるのか。
家具や内装のレイアウトと出入口の設計をどう合わせるのか。

このように、入退室管理は移転時のさまざまな検討項目とつながっています。

移転時に発生する相談入退室管理との関係
受付・来客対応来客用の入館フローや受付管理と連動する
会議室管理会議室ごとの入室権限や利用管理につながる
電気錠・扉まわり入退室管理の設置可否や工事範囲に関係する
防犯カメラ出入口のセキュリティ設計と一緒に検討されやすい
LAN・Wi-Fi工事日程や配線計画を合わせる必要がある
PC・複合機の移設移転当日の段取りやIT環境整備と同時に動く
オフィス家具・レイアウト出入口、受付、会議室、執務エリアの動線に関係する

ここで言いたいのは、入退室管理会社がすべてを自社で対応すべきという話ではありません。

重要なのは、オフィス仲介会社や内装会社から見たときに、入退室管理は「移転時に発生する相談の一部」であるということです。

そのため、営業では「入退室管理システムを売りたい」と伝えるだけでは弱くなります。

「移転時の出入口・受付・セキュリティまわりの相談をまとめて受けられる協業先」という見せ方にすると、相手にとって紹介しやすくなります。

リプレイス営業のリストは「見直し理由」で選定する

リプレイス営業のリストを作るとき、単に「入退室管理システムを使っていそうな会社」を集めても精度は上がりません。

見るべきなのは、切り替えのきっかけです。

リスト条件優先度見る理由
オフィス移転予定がある企業新オフィスに合わせて設備を選び直すため
増床・フロア増設の可能性がある企業扉数、利用人数、権限管理が増えやすいため
新拠点開設をしている企業拠点ごとの入退室管理や一元管理の需要が出やすいため
採用を強化している企業中〜高社員数増加によりセキュリティ管理が複雑になりやすいため
複数拠点を持つ企業中〜高拠点管理、権限設定、管理者負担の課題が出やすいため
大規模オフィスの内装実績に掲載されている企業坪数が大きく、単価の高い案件につながりやすいため
受付や来客が多い業態来客管理や受付連携の提案余地があるため
既存システムを使っているだけの企業低〜中見直し理由がなければ動きにくいため
業種だけで広く抽出した企業検討タイミングが読みにくいため

現在の利用状況だけでなく、移転、増床、採用拡大、新拠点開設、複数拠点化といった変化を見ます。

変化がある企業ほど、入退室管理システムを選び直す理由が生まれやすくなります。

リスト作成で見るべき情報

リスト作成では、業種や企業規模だけで判断しないことが重要です。

入退室管理システムの営業では、以下の情報を見ると精度が上がります。

見る情報確認するポイント
オフィス移転ニュース移転、増床、本社移転、新拠点開設の情報
採用ページ採用人数、募集職種、拠点拡大の有無
内装会社の施工事例坪数、座席数、企業規模、移転背景
オフィス仲介会社の事例物件規模、移転理由、成長企業かどうか
企業サイトの拠点情報複数拠点、支社、営業所の有無
プレスリリース資金調達、事業拡大、拠点開設、組織拡大
求人媒体大量採用、バックオフィス増員、拠点別採用
受付・来客導線の情報来客対応、会議室利用、受付管理の必要性

特に見たいのは、企業が成長しているサインです。

社員数が増える。
拠点が増える。
オフィスが広くなる。
来客や会議室の利用が増える。
管理部門の負担が増える。

このような変化がある企業は、入退室管理、受付管理、来客対応、権限管理を見直す可能性が高くなります。

ホームページから見込み度を判断するチェックリスト

オフィス仲介会社や内装会社を開拓する場合、業種名だけでリスト化すると無駄打ちが増えます。

ホームページを確認し、見込み度を点数化すると優先順位を付けやすくなります。

確認項目点数
法人オフィスを専門または主力としている1
移転・開設支援を案内している2
内装・レイアウトの相談に対応している2
家具・引越し・原状回復まで扱っている1
移転事例を継続的に掲載している1
法人仲介の担当部署が分かる1
LAN・IT工事や入退室管理工事の内製体制が見当たらない2
中小・中堅企業の移転案件が多そう1

合計点が高い会社から順番に営業すれば、単純な業種名だけでリストを作るより無駄打ちを減らせます。

合計点優先度判断
8点以上優先的にアプローチする
5〜7点事例や担当部署を確認してアプローチする
4点以下優先度を下げる、または別条件で再確認する

特に重要なのは、「移転・開設支援を案内しているか」と「内装・レイアウト相談に対応しているか」です。

この2つがある会社は、顧客の移転検討段階に入り込んでいる可能性があります。

また、LAN・IT工事や入退室管理工事の内製体制が見当たらない場合、自社サービスを提案メニューに組み込める余地があります。

ここで重要なのは、IT工事を主軸にすることではありません。

オフィス移転では、入退室管理、LAN、Wi-Fi、PC移設、家具、内装が同じタイミングで動くため、仲介会社や内装会社が「どこまで自社で対応できて、どこから外部に任せているか」を見る必要があります。

オフィス移転時に営業するメリット

オフィス移転のタイミングを狙うメリットは、検討されやすいことだけではありません。

メリット内容
受注率が上がりやすい移転日までに決める必要があり、「検討します」で止まりにくい
単価が上がりやすい扉数、座席数、会議室数、フロア数、利用人数がまとまりやすい
与信が通りやすい増床、採用拡大、新拠点開設など、成長局面の企業と接点を持ちやすい
顧客が話を聞きやすい必要な設備を探している状態で提案できる
根回しが少ない移転プロジェクトとして関係者がすでに動いている
時間効率が良い検討テーマと期限が明確で、提案から判断までが早い
関連提案がしやすい受付管理、会議室管理、防犯カメラ、鍵管理まで相談されやすい
継続紹介につながりやすい仲介会社や内装会社との関係ができると複数案件に広がりやすい

既存オフィスへの営業では、必要性を理解してもらうところから始まります。

一方、移転時は顧客側に検討テーマと期限があります。

営業の時間効率が高く、提案の優先順位も上がりやすくなります。

移転予定企業を直接探すだけでは限界がある

オフィス移転のタイミングが重要であれば、移転予定企業へ直接営業する方法も考えられます。

方向性としては正しいです。

ただし、実行は簡単ではありません。

移転を検討している企業の情報は、早い段階では表に出にくいです。

公表された頃には、すでに物件選定や内装会社の選定が進んでいるケースもあります。

そこで考えるべきなのが、移転予定企業とすでに接点を持っている会社へのアプローチです。

アプローチ先接点を持っている理由
オフィス仲介会社物件探しの段階で相談を受ける
内装会社レイアウトや工事内容の相談を受ける
オフィス移転支援会社移転全体の段取りに関わる
オフィス家具会社デスク、チェア、什器の選定に関わる
レイアウト設計会社働き方やオフィス設計の相談を受ける
通信工事会社LAN・Wi-Fi・ネット回線の相談を受ける
セキュリティ工事会社防犯カメラや鍵まわりの相談を受ける

見込み客を1社ずつ探すより、すでに見込み客と接点を持っている会社に入り込む方が効率的です。

入退室管理システムを販売する側にとって、これらの会社は単なる紹介元ではありません。

顧客がオフィスを選び直し、設備を選び直すタイミングにすでに関わっている営業導線です。

オフィス仲介会社へ何を売るべきか

パートナー開拓で失敗しやすいのは、自社の商品名をそのまま売り込むことです。

入退室管理会社は、入退室管理システムを売ろうとします。
セキュリティ会社は、防犯カメラや警備システムを売ろうとします。
鍵業者は、鍵交換や電気錠を売ろうとします。
LAN工事会社は、LAN工事を売ろうとします。
OA機器販売会社は、複合機やPCを売ろうとします。
情シス代行会社は、ITサポートを売ろうとします。

しかし、オフィス仲介会社から見ると、個別のサービス名を並べられても、どの場面で紹介すればよいか分かりにくくなります。

提案すべきなのは、商品単体ではありません。
「移転時に発生する出入口・セキュリティ・ITまわりの相談をまとめて受けられる協業先」という立場です。

売り方オフィス仲介会社の受け取り方
入退室管理システムを売りたいすでに業者がいるかもしれない
防犯カメラを売りたい個別商材の営業に見える
電気錠や鍵交換を売りたい工事業者の営業に見える
LAN・Wi-Fi工事を売りたいIT工事会社の営業に見える
PCや複合機を売りたいOA機器の営業に見える
移転時の出入口・セキュリティ・ITまわりを支援したい顧客対応の手間を減らす協業先に見える

営業先がオフィス仲介会社や内装会社の場合、自社の商品を前面に出しすぎない方が入りやすくなります。

相手が欲しいのは、単体商材の説明ではありません。
顧客から相談されたときに、安心して振れる先です。

入退室管理を軸にしながらも、周辺相談まで整理して受けられる状態を見せることで、紹介される理由が作りやすくなります。

営業資料や提案メニューに組み込んでもらう

既存オフィスに直接営業するよりも、オフィス移転に関わる会社の営業資料や提案メニューに、自社サービスを組み込んでもらう方が自然です。

内装会社やオフィス仲介会社が移転提案を行う際に、入退室管理、受付管理、来客対応、電気錠、防犯カメラ、LAN・Wi-Fi、PC移設などもあわせて相談できる状態を作ります。

提案される場所顧客の受け取り方
突然の電話営業売り込みに見える
メルマガ今必要なければ流される
移転提案資料の中新オフィスに必要な項目として見られる
内装会社からの紹介移転準備の一部として受け取られる
仲介会社からの案内物件選定後の具体的な準備として見られる

同じサービスでも、提案される場所が変わるだけで受け取られ方は変わります。

営業は、顧客の外側から無理に入り込むより、顧客がすでに検討している流れに入る方が強くなります。

オフィス仲介会社へのテレアポトーク

オフィス仲介会社へ電話する場合、「入退室管理システムのご案内です」と伝えるだけでは、一般的な営業電話として断られやすくなります。

ポイントは、御社のお客様の移転案件を支援する協業であると伝えることです。

受付への伝え方

「御社のお客様がオフィスを移転・開設される際の、入退室管理や受付まわり、出入口セキュリティ、LAN・Wi-Fiなどの移転時対応について、協業のご相談です。法人仲介または移転支援の責任者様をお願いできますでしょうか」

受付には、商品名だけではなく、相手の顧客支援に関する話だと伝えます。

「ITサービスの営業です」
「入退室管理システムの営業です」

とだけ伝えると、一般的なシステム営業や設備営業として断られやすくなります。

「御社のお客様の移転案件を支援する協業」と伝えることがポイントです。

担当者につながった後の伝え方

「御社がオフィス移転を支援される際、お客様から入退室管理、受付管理、電気錠、防犯カメラ、LAN、Wi-Fi、ネット回線、PC移設などを相談されることはありませんか。弊社では、移転時の出入口セキュリティとIT関連をまとめて支援しています。既存の紹介先を変更していただく話ではなく、急ぎ案件や対応範囲の広い案件で使える第二候補としてご相談しています」

ここで、いきなり正式な提携契約を求める必要はありません。

まずは次のいずれかを目標にします。

  • 一度情報交換する
  • 会社資料を見てもらう
  • 見積もり候補に入れてもらう
  • 小規模案件で試してもらう

最初から大きな案件を任せてもらうより、相手が試しやすい入口を作ることが重要です。

初回会話で確認する3つの質問

オフィス仲介会社や内装会社と話せた場合、いきなりサービス説明を長くするより、現在の対応状況を確認します。

質問目的
物件成約後、入退室管理や出入口セキュリティ、IT環境に関する相談も受けられていますか継続的な協業余地があるかを確認する
入退室管理、電気錠、防犯カメラ、LAN、Wi-Fiなどの相談があった場合、既存の会社をご紹介されていますか。それともお客様側で手配されていますか自社が入れる立場を確認する
現在の協力会社様で、対応しにくい地域、規模、工事内容などはありますか既存体制の空白を確認する

「何社使っていますか」と聞くより、既存体制で対応しにくい案件を聞く方が有効です。

正面から既存業者を奪いにいくのではなく、空いている領域を探します。

「すでに業者がいます」と言われた場合

オフィス移転案件を継続的に扱う会社であれば、すでに入退室管理会社、セキュリティ会社、鍵業者、LAN工事会社、IT会社との関係があるのは自然です。

ここで「弊社の方が安くできます」「一度比較してください」「切り替えを検討してください」と正面から競合すると、警戒されます。

代わりに、次のように伝えます。

「既存業者様がいらっしゃることを前提にしています。通常案件を変更していただくのではなく、既存先が対応できない急ぎ案件、繁忙時、小規模案件、入退室管理と受付まわりをまとめたい案件、セキュリティとIT対応を一括で整理したい案件で、第二候補として使っていただきたいと考えています」

新規参入時に最初から本命業者を狙う必要はありません。

まず狙うのは、次のような案件です。

  • 既存業者が忙しい案件
  • 現地調査を急いでいる案件
  • 相見積もりが必要な案件
  • 小規模で既存業者が受けにくい案件
  • 夜間・休日対応が必要な案件
  • 対応エリア外の案件
  • 入退室管理、受付管理、防犯カメラをまとめて相談したい案件
  • 電気錠や扉まわりの確認が必要な案件
  • LAN、Wi-Fi、PC移設も含めて整理したい案件

第二候補として入ることができれば、実績を作る機会が生まれます。

「資料を送ってください」で終わらせない

「資料を送ってください」と言われた場合、そのまま会社案内を送って終わると、ほとんど思い出してもらえません。

資料を送る前に、最低でも一つ質問します。

「承知しました。資料を合わせたいので一点だけ、御社では入退室管理やセキュリティ会社、IT工事会社をお客様へ紹介する形と、御社から発注する形のどちらが多いでしょうか」

回答によって、送る資料の内容や次回の提案を変えられます。

紹介型が多いなら、顧客へ渡しやすいサービス概要資料を送ります。
発注型が多いなら、対応範囲、概算費用、工期、紹介後の流れが分かる資料を送ります。

さらに、資料送付後の接点も設定します。

「資料をお送りしますので、後日10分ほど、対応範囲だけご説明するお時間をいただけますか」

資料送付は営業の完了ではありません。
次の会話を作るための手段です。

最初から大きな移転案件を狙わない

新規の協力会社に、重要な大型移転案件をいきなり任せる会社は多くありません。

初回発注では、相手のリスクが小さい案件を提案します。

  • 小規模オフィスの入退室管理
  • 既存扉への電気錠追加
  • 受付まわりの簡易セキュリティ相談
  • 防犯カメラの追加設置
  • 現地調査のみ
  • 扉数が少ない案件の見積もり
  • 既存業者が対応できない急ぎ案件
  • 会議室や執務室の権限管理相談
  • 入退室管理と受付管理の部分提案
  • LANの追加配線
  • Wi-Fiアクセスポイントの増設
  • PC数台の移設やキッティング
  • プリンターや複合機の移設

小さな案件で、返答の速さ、見積もりの分かりやすさ、顧客対応、工期順守、完了報告の正確さを評価してもらいます。

そこで信頼を作ることで、次回以降の案件拡大につながります。

目指す昇格ルート

パートナー開拓では、初回から本命業者になる必要はありません。

現実的には、次の順番で関係を深めていきます。

段階位置づけ目標
比較先相見積もりや相談先の一つまず存在を覚えてもらう
試験発注先小規模案件を任せてもらう対応品質を見てもらう
継続発注先繰り返し相談される安心して任せられる状態を作る
推奨業者顧客に紹介しやすい存在になる営業資料や提案メニューに入る
本命業者優先的に相談される継続的に案件が入る状態を作る

焦って大きな案件を取りにいくより、第二候補から入り、試験発注を獲得し、継続発注先へ昇格する方が現実的です。

パートナー側のメリットを用意する

内装会社やオフィス仲介会社に対して、単に「紹介してください」と伝えても動きにくいです。

相手にも紹介する理由が必要です。

パートナー側のメリット内容
紹介手数料紹介によって追加収益が生まれる
提案時の手間削減顧客から相談されたときに、そのまま提案できる
顧客満足度の向上出入口セキュリティやITまわりまでまとめて案内できる
提案範囲の拡大内装だけでなく、オフィス運用まで提案できる
急ぎ案件の対応先確保既存業者が動けないときの第二候補を持てる

特に重要なのは、手間削減です。

オフィス移転の現場では、顧客から出入口、セキュリティ、ITまわりの相談が出ます。

これらを内装会社や仲介会社が毎回ゼロから調べるのは負担です。

販売側は、提案に必要な資料を整えて渡す必要があります。

用意するもの目的
サービス概要資料顧客に説明しやすくする
料金表・概算費用予算感をすぐに伝えられるようにする
導入フロー移転スケジュールに組み込みやすくする
よくある質問パートナー側の説明負担を減らす
ヒアリングシート必要項目を漏れなく確認できるようにする
紹介後の対応フロー紹介後の動きを明確にする
紹介手数料の条件パートナー側の収益を明確にする
対応範囲一覧入退室管理、受付、防犯カメラ、LAN、Wi-Fiなど対応可能領域を伝える

「紹介してください」ではなく、「御社の提案業務を軽くしながら、追加収益も作れます」という設計にすることが重要です。

直接受注とパートナー開拓では売上の広がりが違う

入退室管理システムを一般企業に直接販売した場合、その企業への初回導入は基本的に1回で終わります。

その後は、毎月の管理費や保守費用が中心です。

もちろん月額収益は重要です。

ただ、新規導入案件として見ると、同じ会社から何度も大きな発注が発生するわけではありません。

一方で、内装会社やオフィス仲介会社との関係ができると、構造が変わります。

営業先受注後の広がり
一般企業へ直接営業初回導入後は月額管理費が中心
内装会社・仲介会社へ営業複数の移転案件を継続的に紹介してもらえる可能性がある

一般企業への営業は、1社の受注を取りに行く営業です。

内装会社や仲介会社への営業は、案件が継続的に生まれる販路を作る営業です。

1社の内装会社と関係ができれば、2件、3件、10件、20件と紹介が続く可能性があります。

1回の商談が、将来的に数千万円規模の案件群に発展することもあります。

営業戦略として見るべきなのは、目の前の1社だけではありません。

案件が継続的に生まれる場所を押さえられるかどうかです。

アプローチ先は大型案件を持つ会社から選ぶ

パートナー候補は、数だけで選ぶべきではありません。

優先して見るべきなのは、その会社がどの規模のオフィス案件を扱っているかです。

見るべきポイント理由
広い坪数の事例がある扉数、座席数、会議室数が増え、単価が上がりやすい
従業員数の多い企業の事例がある入退室管理の設計が複雑になりやすい
成長企業の移転事例がある増床や採用拡大に伴う投資の可能性がある
複数拠点企業の事例がある拠点管理や権限管理のニーズが出やすい
有名企業の内装事例がある大型案件に関わる営業力や顧客基盤がある
移転支援を継続的に発信している移転予定企業との接点を持っている可能性が高い

入退室管理システムは、オフィス規模が大きいほど提案金額が上がりやすい商材です。

扉の数、利用人数、管理範囲、権限設定、セキュリティ要件が増えるためです。

また、大型オフィスでは、入退室管理だけでなく、受付、会議室、LAN、Wi-Fi、PC移設、防犯カメラなども同時に検討されやすくなります。

そのため、まずは大型オフィス案件を持っている内装会社や仲介会社から開拓する方が効率的です。

まとめ

入退室管理システムのリプレイス営業では、既存システムを使っている企業を広く集めるだけでは成果につながりにくいです。

重要なのは、顧客が選び直す理由を持っているかどうかです。

オフィス移転、増床、新拠点開設、採用拡大、複数拠点化などの変化がある企業は、入退室管理を見直す可能性が高くなります。

また、入退室管理は単体で検討されるだけではありません。

オフィス移転時には、受付、会議室、電気錠、防犯カメラ、LAN、Wi-Fi、PC移設、家具、内装などの相談と一緒に発生します。

そのため、営業では「入退室管理システムを売る」という見せ方だけでなく、「移転時の出入口・セキュリティ・ITまわりの相談をまとめて支援できる協業先」として提案することが重要です。

移転予定企業を直接探すだけでなく、オフィス仲介会社、内装会社、移転支援会社、オフィス家具会社、レイアウト設計会社、通信工事会社など、移転予定企業とすでに接点を持つ会社にアプローチする。

その会社の営業資料や提案メニューに、自社サービスを組み込んでもらう。
紹介手数料を設計する。
提案資料を用意して、パートナー側の手間を減らす。
小規模案件から試してもらう。
第二候補から継続発注先へ昇格する。
大型オフィス案件を持つ会社から優先して開拓する。

この流れを作ることで、営業は単発受注ではなく、継続的に案件が生まれる販路開拓に変わります。

BtoB営業で重要なのは、商品を必要としそうな会社を広く探すことではありません。

顧客が選び直すタイミングを押さえ、そのタイミングに接点を持つ会社の中に入り込むことです。

営業成果は、提案内容だけでなく、提案が置かれる場所で変わります。

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この記事を書いた人

テレアポ営業・インサイドセールスを専門とし、数多くの商談創出を担当。単なるアポイント獲得ではなく、受注につながる質の高い商談設定を得意としている。
これまでさまざまな業界・商材の営業支援に携わり、受付突破から決裁者アプローチ、商談化までのプロセス設計を経験。
本メディアでは、テレアポ手法、アポイント獲得ノウハウ、インサイドセールス運用に関する情報を発信。

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