人材会社のテレアポ戦略|アポ率10%・受注率60%を実現した営業設計とは

「毎日のように架電しているのに、アポがほとんど取れない」

人材会社の法人営業で、こうした声は珍しくありません。多くの場合、その原因は「行動量が足りないから」だと考えられがちです。そして対策として、架電数のノルマを増やす方向に進みます。

しかし、本当の問題はそこではありません。

実際、私たちが支援した介護施設向けの特定技能営業では、総架電数に対してアポ率10%、商談実施数に対して受注率60%、受付突破率90%以上という成果が出ています。これは架電数を増やして実現した数字ではありません。「最初に何を、どの順番で伝えるか」を設計し直しただけです。

人材業界は、法人営業の中でも特に競争が激しい領域です。企業側には、人材紹介会社、派遣会社、求人広告会社、採用支援会社、外国人紹介会社、登録支援機関などから、日常的に営業電話が届いています。だからこそ、相手は電話口でサービス名を聞いた瞬間に、内容を聞く前に判断します。

「また人材会社か」と。

この記事では、上記の成果を出した実際の事例をもとに、人材会社がアポイントを獲得し、受注へつなげるための営業設計を解説します。特定技能に限らず、人材紹介、派遣、求人広告、採用支援、外国人紹介など、人材に関する営業全般に応用できる考え方です。

この記事では、その事例をもとに、人材会社がアポイントを獲得するための営業設計について解説します。

特定技能に限らず、人材紹介、派遣、求人広告、採用支援、外国人紹介など、人材に関する営業全般に応用できる考え方です。

目次

この記事の結論

最初に結論を整理します。

項目結論
アポが取れない主な原因商品名から入っていること
最初に避けるべき言葉特定技能、外国人採用、登録支援機関、無料紹介
1回目の電話の目的商品説明ではなく、次に話す時間をもらうこと
1回目の電話時間2~3分で短く終える
有効だった方法電話を2回に分ける2コール戦略
2回目の目的採用条件と欲しい人物像を明確にすること
商品を出すタイミング相手の条件と必要人数が分かった後
成果総架電数に対してアポ率10%、商談実施数に対して受注率60%
特に効果が大きかった改善最初に特定技能と言わず、日程打診を早めたこと

人材営業で重要なのは、商品説明を上手くすることではありません。

重要なのは、相手が断る前に、採用課題に意識を向けてもらうことです。

なぜ人材会社の営業は断られやすいのか

人材会社の営業が断られやすい理由は、企業側に同じような営業電話が多く届いているからです。

特に介護、外食、宿泊、製造などの人手不足が深刻な業界では、人材会社からの提案は珍しくありません。

そのため、相手は電話の冒頭だけで判断します。

営業側の第一声相手が感じること
人材紹介のご案内ですまた人材紹介か
派遣スタッフのご提案です派遣は今いらない
特定技能外国人のご紹介ですまた特定技能か
外国人採用のご案内です外国人は今考えていない
登録支援機関としてご連絡しましたもう支援機関は決まっている
採用支援サービスのご案内です営業電話だな

営業担当者からすると、自社サービスを正しく説明しているつもりです。

しかし、相手から見ると、その説明は「断るための判断材料」になります。

つまり、冒頭で商品カテゴリを伝えるほど、相手は早く断れるようになります。

ここが、人材会社のテレアポで最初に見直すべきポイントです。

特定技能営業で最初に商品名を出してはいけない理由

特定技能営業でよくある誤解があります。

それは、相手が特定技能を「難しそう」と感じるから断られる、という考え方です。

もちろん、制度や手続きへの不安が出ることもあります。
ただ、最初の電話で一番大きな壁になるのは、制度理解ではありません。

本当の壁は、「また特定技能の営業か」と思われることです。

実際の現場では、以下のような断り文句が多く出ます。

よくある断り文句相手の本音に近い判断
もう付き合いがあります新しい会社の話を聞く必要はない
毎日のように電話が来ていますまた同じような営業だ
特定技能は間に合っています既存の選択肢で十分
登録支援機関はもう決まっています比較するつもりがない
外国人は今いらないですカテゴリごと断りたい
資料だけ送ってください今は話を広げたくない

この段階では、こちらの提案内容はまだ伝わっていません。

候補者の質、紹介スピード、費用、支援内容、他社との違いを説明する前に、同じカテゴリの営業として処理されています。

そのため、1回目の電話では以下の言葉を避けました。

  • 特定技能
  • 外国人採用
  • 登録支援機関
  • 無料で紹介

一見、「無料で紹介」は反応が良さそうに見えます。
しかし、実際には売り込み感が強くなり、不信感につながることがあります。

最初に伝えるべきなのは、サービス名ではありません。
相手の採用状況に関係する要件です。

今回の営業成果

今回の事例は、介護施設向けの特定技能営業です。

対象は主に中規模施設でした。

採用判断者については、施設長、採用担当者、本部担当者など違いはありましたが、成果において最も重要だったのは「誰が判断者か」ではありませんでした。

重要だったのは、欲しい人物像と必要人数が明確になるかどうかです。

項目内容
営業対象介護施設
主な施設規模中規模施設
商材特定技能領域の人材紹介
アポ率総架電数に対して10%
受注率商談実施数に対して60%
受付突破率90%以上
データ管理スプレッドシート
主な改善策電話を2回に分け、1回目で特定技能と言わなかったこと

ここで重要なのは、アポ率10%が「担当者につながった後」ではなく、総架電数に対しての数字であることです。

また、受注率60%は、商談実施数に対しての数字です。

つまり、ただアポを増やしただけではありません。
受注につながるアポイントを獲得できていたということです。

人材営業では、アポ数だけを追っても意味がありません。

アポが取れても、商談後に受注しなければ成果にはなりません。
そのため、アポ率と受注率はセットで見る必要があります。

1回目の電話の目的は、商品説明ではない

1回目の電話の目的は、商品説明ではありません。

目的は、次に話す時間をもらうことです。

多くの営業担当者は、電話で長く話せた方が良いと考えがちです。
しかし、1回目の電話では逆です。

長く話すほど、相手に考える時間を与えます。
考える時間が増えるほど、断る理由も増えます。

そのため、1回目の電話では以下のことはしません。

1回目でしないこと理由
特定技能の詳しい説明カテゴリ認識されるため
外国人採用の説明「外国人はいらない」と断られやすいため
登録支援機関の説明既存業者との比較に入るため
人材紹介サービスの説明商品営業として処理されるため
長時間のヒアリング相手の負担が大きくなるため
その場での説得断る理由を増やすため

1回目でやることは一つです。

短く興味付けをして、次回5分だけ話す時間をもらうことです。

目安は2〜3分です。

受付突破では商品名を出さない

人材会社のテレアポでは、受付で止まることが多くあります。

ただし、受付で止まる原因は、受付担当者が悪いからではありません。

最初の一言で、営業電話だと判断されていることが原因です。

例えば、以下のような入り方は受付で止まりやすくなります。

  • 「特定技能人材のご紹介でお電話しました」
  • 「外国人採用のご案内です」
  • 「人材紹介サービスのご案内です」

これらはすべて、受付担当者にとっては営業電話だと判断しやすい言い方です。

今回の営業では、受付向けには次のように伝えていました。

「求人票を見たのですが、採用のご担当者様はいらっしゃいますか?」

この言い方のポイントは、商品名から入っていないことです。

相手が出している求人や採用状況に関連して連絡しているため、採用担当者につなぐ理由が自然になります。

受付トーク反応
特定技能人材のご紹介です営業電話として処理されやすい
外国人採用のご案内です担当者につなぐ前に断られやすい
人材紹介サービスのご案内です既存取引先と比較されやすい
求人票を見たのですが、採用のご担当者様はいらっしゃいますか?採用に関する確認として自然につながりやすい

このトークでは、受付突破率は90%以上でした。

残りの約10%も、明確に断られたというよりは、担当者が席を外している、不在であるといったケースが中心でした。

ただし、このトークは実際に求人票や募集情報を確認している場合に使うべきです。

見ていない求人票を「見た」と伝えるのは避ける必要があります。

営業トークで重要なのは、相手をだますことではありません。
相手が判断しやすい切り口で、自然に担当者へつないでもらうことです。

担当者につながった後の第一声

担当者につながった後も、いきなりサービス名は出しません。

今回の営業では、次のような入り方をしていました。

「資格を持たれている方のご紹介などをさせていただいている会社でして、よろしければ5分ほどお時間いただけないでしょうか」

ここで重要なのは、「特定技能」や「外国人採用」と言っていないことです。

介護施設の場合、資格の有無は採用判断に関わります。

そのため、制度名ではなく、相手が関心を持ちやすい人材条件から入ることで、会話が進みやすくなります。

場面トーク例狙い
担当者接続直後資格を持たれている方のご紹介などをさせていただいている会社でして、よろしければ5分ほどお時間いただけないでしょうか商品名ではなく人材条件に意識を向ける
少し聞いてもらえそうな時詳しくお話しすると少し長くなってしまうので、明日か明後日で5分ほどお時間いただけないでしょうか説明ではなく日程調整に進める
条件確認につなげたい時一度、採用されたい方の条件だけ確認させていただきたいのですが、明日の午前か明後日の午後でしたらどちらがご都合よろしいでしょうか2回目の電話に誘導する
電話を終える時ありがとうございます。それでは〇日の〇時に5分ほどお電話いたします。本日は突然のご連絡にもかかわらずありがとうございましたアポ確定後に余計な説明をしない

ポイントは、説明を求められる前に候補日を出すことです。

1回目の電話で詳しく話そうとすると、必ず質問が増えます。
質問が増えると、サービス説明に入ってしまいます。

そのため、少しでも会話が続く状態になったら、すぐに日程打診を行います。

1回目は説得の場ではありません。
次回の時間をもらうための電話です。

2コール戦略が成果につながった理由

今回の営業で最も効果が大きかったのは、電話を2回に分けたことです。

多くの営業では、1回目の電話で受付突破、担当者接続、商品説明、ヒアリング、アポ打診までを一気に行おうとします。

しかし、人材業界のように営業電話が飽和している市場では、このやり方だと相手に考える時間を与えすぎてしまいます。

そこで、役割を明確に分けました。

電話目的やることやらないこと
1回目次に話す時間をもらう短く興味付けし、5分の時間をもらう商品説明、深掘り、説得
2回目採用条件を明確にする欲しい人物像、人数、時期を確認するいきなり商品を売り込む

1回目は、あくまで次回時間をもらうだけ。
2回目で、採用条件を詳しく聞く。

この分け方により、1回目の電話では余計な説明をせずに済みます。

また、2回目の電話では、相手も一度時間を取っているため、採用状況について話しやすい状態になります。

この設計が、今回の営業では大きな成果につながりました。

2回目の電話で確認する内容

2回目の電話で最初に確認するのは、サービスへの興味ではありません。

まず確認するのは、どのような人材なら現場に合うのかです。

今回の介護施設向け営業では、以下の項目を確認しました。

ヒアリング項目確認する理由実際に出た回答例
男性・女性どちらが現場に合いやすいか現場との相性を確認するため女性メイン。ここ3年で男性は1名のみ。力仕事もほぼないため、気が利く女性を希望
年齢の希望紹介可能な候補者と採用基準を合わせるため年齢は問わない。ただし紹介会社経由では50代前半までが目安
日本語レベル業務上必要な会話・記録レベルを確認するためN3相当で可。現在の技能実習生もN3取得を目標に学習している
勤務時間・夜勤対応正職員採用に必要な勤務条件を確認するため正職員は早番・日勤・遅番・夜勤を含むフルタイム必須
経験者重視か人柄重視か候補者提案の優先順位を決めるため人柄重視。ポジティブで前向きな方が条件
国籍の相性既存職員や受け入れ体制との相性を確認するため多国籍ではなく1国籍の回答例が多くあまり気にしていない。
受け入れ可能な外国人材の条件提案可能範囲を明確にするため技能実習生はNG。介護福祉士資格保有の外国人国内転職は問題なし
採用人数提案規模を決めるため1~2名程度
採用時期緊急度を判断するため急ぎではないが、穴あきや緊急時に良い方がいれば検討

ここで大事なのは、こちらが一方的に候補者を説明するのではなく、相手に欲しい人物像を言語化してもらうことです。

例えば、以下のような条件が出てきたとします。

相手から出た条件営業側の判断
女性中心の現場女性候補者を優先して提案する
年齢は50代前半まで年齢条件に合う人材だけを出す
日本語はN3相当で可日本語条件の幅が広がる
夜勤対応が必要長夜勤可能な人材を優先する
経験より人柄重視性格面や定着意欲を伝える
1~2名採用したい提案余地がある
急ぎではないが良い方がいれば検討中長期の候補者提案が可能

ここまで整理できると、営業側が無理に売り込む必要はなくなります。

相手自身が、「こういう人材なら欲しい」という状態になっているからです。

商品を出すタイミング

商品を出すのは、相手の条件が明確になった後です。

たとえば、以下のような情報が揃ったタイミングです。

  • 女性の方が現場に合いやすい
  • N3相当の日本語力があれば問題ない
  • 夜勤に入れる方が良い
  • 経験よりも人柄重視
  • 1〜2名くらい採用したい

この状態になって初めて、次のように伝えます。

「その条件であれば、実は特定技能の方でも解決できる可能性があります」

同じ言葉でも、出すタイミングによって受け取られ方は変わります。

最初に出せば営業電話です。
採用条件を整理した後に出せば、課題解決の選択肢になります。

営業で重要なのは、何を言うかだけではありません。
いつ言うかです。

候補者情報は施設の条件とセットで出す

人材営業では、候補者情報の出し方も重要です。

単に、

「介護福祉士の方がいます」

「経験者がいます」

「N3の方がいます」

と伝えるだけでは弱くなります。

重要なのは、2回目の電話で聞いた条件と結びつけて提示することです。

今回提示できた候補者ペルソナは以下です。

ペルソナ内容施設側に伝えるべきポイント
ペルソナA介護福祉士、20代後半、該当県在住、介護経験4年、N3介護福祉士資格保持者のため即戦力。リーダー候補として配置可能。定住意欲が高く長期就労が期待できる
ペルソナB介護福祉士、30代前半、該当県在住、介護経験6年、N3、長夜勤OKリーダー・主任経験あり。新人指導やOJTも可能。夜勤対応もできるため正職員ニーズに合いやすい

候補者情報を出す際には、年齢、資格、経験、日本語レベル、居住地、夜勤可否、リーダー経験、定着可能性などを整理して伝えることが重要です。

特に介護施設では、夜勤対応ができるか、現場に馴染めるか、長く働けるかが判断材料になります。

候補者情報をただ並べるのではなく、施設が求めている条件と結びつけることで、商談の精度が上がります。

期待値コントロールは、先に聞き切ることで自然にできる

人材営業では、期待値コントロールも重要です。

ただし、今回の営業では、こちらから無理に期待値を下げるような説明はしていません。

理由は、2回目の電話で必要な情報を先に聞いているからです。

先に聞く項目防げるズレ
性別現場との相性のズレ
年齢採用基準とのズレ
日本語レベル業務遂行レベルとのズレ
夜勤対応正職員採用条件とのズレ
経験・人柄現場定着とのズレ
国籍の相性既存職員や受け入れ体制とのズレ
採用人数・時期提案スピードとのズレ

期待値コントロールとは、商談中に一方的に説明することではありません。

最初に相手の条件を聞き切ることで、自然にズレを防ぐことです。

失注の原因の多くは、相手が求める人物像と、営業側が提案する人物像のズレです。

そのズレを減らすためにも、候補者を出す前に採用条件を具体化する必要があります。

アポにすべき企業と、アポにしない方がいい企業

アポ率を上げることは重要です。

ただし、人材営業ではアポを取れば何でも良いわけではありません。

受注につながらないアポを増やしても、営業効率は上がりません。

今回の営業では、アポにすべき企業と、避けるべき企業の特徴も見えてきました。

分類特徴判断
アポにすべき企業人は足りていない採用課題が顕在化している
アポにすべき企業夜勤が足りない条件に合う候補者がいれば提案余地がある
アポにすべき企業応募が来ない既存採用手法に課題がある
アポにすべき企業必要人数がある商談化しやすい
アポにしない方がいい企業外国人採用を完全に拒否している提案余地が低い
アポにしない方がいい企業採用基準が厳しすぎる候補者が出せず失注しやすい

最初は「外国人はいらない」と言われたとしても、完全拒否なのか、営業電話を断るための反応なのかは見極める必要があります。

実際には、採用状況を聞いていくと、緊急で人が必要なケースもあります。

一方で、外国人採用を完全に拒否している企業や、条件が極端に厳しすぎる企業は、無理にアポ化しても受注につながりにくくなります。

アポ獲得で大切なのは、件数だけを追うことではありません。
受注につながるアポを取ることです。

データドリブン営業とは、数字を分解して改善すること

営業改善というと、多くの会社はスクリプトを変えようとします。

もちろん、スクリプトは重要です。

しかし、スクリプトを変えるだけでは成果は安定しません。

重要なのは、数字を分解して、どこに問題があるのかを把握することです。

今回の営業では、スプレッドシートで営業データを管理しました。

KPI見る理由改善するポイント
総架電数行動量を確認するため架電量・リスト数
接続数電話がつながっているか確認するため架電時間・リスト品質
受付突破数担当者につながるか確認するため受付トーク
担当者接続数実際に会話できているか確認するため担当者名の把握、再架電
アポ獲得数次回時間を取れているか確認するため冒頭トーク、日程打診
商談実施数アポが実施されているか確認するためリマインド、アポの質
受注数成果につながっているか確認するため提案内容、候補者情報、スピード
断り文句どこで失注しているか確認するためトーク改善
トーク別反応率どの言い回しが有効か確認するためスクリプト改善
施設規模別反応率どの層に刺さるか確認するためリスト戦略

アポ率だけを見ても、改善点は分かりません。

受付突破率が低いなら、受付トークを変える必要があります。

担当者接続後にアポにならないなら、冒頭トークや日程打診のタイミングを変える必要があります。

商談後の受注率が低いなら、アポの質や候補者情報の出し方を見直す必要があります。

営業改善とは、感覚でスクリプトを変えることではありません。

仮説を立て、数字を取り、改善を繰り返すことです。

実際に改善したポイント

今回の営業で成果につながった改善点は、明確です。

改善前改善後効果
最初に特定技能と伝えていた最初に特定技能と言わない同じカテゴリの営業として処理されにくくなった
1回目の電話で説明していた1回目は2~3分で短く終える断る理由を与えにくくなった
1回目でヒアリングしていたヒアリングは2回目に回した相手が採用状況を話しやすくなった
候補者情報を単体で出していた施設条件とセットで候補者情報を出した商談後の提案精度が上がった
受付で商品説明していた求人票を見たという採用確認から入った受付突破率が90%以上になった
日程打診が遅かった説明を求められる前に候補日を出した1回目の電話が長引きにくくなった

特に大きかったのは、最初に商品カテゴリを出さなかったことです。

そのうえで、1回目の電話時間を短くし、ヒアリングを2回目に回しました。

さらに、相手の条件に合わせて候補者情報を提示したことで、商談後の受注率も高まりました。

実際に受注につながった事例

ここで、実際に受注につながった事例を紹介します。

対象は、特別養護老人ホームです。

企業規模は約300名。

最初の反応は、「外国人はいらない」というものでした。

通常であれば、この時点で断られて終わるケースも多いです。

しかし、1回目の電話では特定技能や外国人採用の説明には入りませんでした。

「資格を持っている方などもいるので、一度お時間だけいただけませんか?」

という形で、まずは次に話す時間をもらいました。

項目内容
業種特別養護老人ホーム
企業規模約300名
最初の反応外国人はいらない
1回目の電話資格を持っている方などもいるため、時間だけほしいと伝えた
2回目のヒアリング話を聞く中で、再来月までに人が必要な緊急募集だと分かった
提案内容すぐ紹介できる人物像があることを伝え、人物像リストをメール送付
次の動き契約書も急ぎで持参すると伝えた
結果受注

この事例で重要だったのは、相手が既存の取引先に確認する前に、こちらが次の行動を早く進めたことです。

単に「ご検討ください」で終わらせるのではなく、

「いつ面談しますか?」

という形で、面談前提で話を進めました。

さらに、

「契約書も急ぎで一緒に持っていきますね」

と伝えることで、検討ベースではなく、実行ベースで商談を進めることができました。

最初は「外国人はいらない」と言っていても、採用状況を聞いていくと、実際には緊急で人を必要としているケースがあります。

最初の反応だけで判断せず、採用課題を確認できたことが受注につながった大きな要因です。

受注事例から分かる営業のポイント

この受注事例には、人材営業で重要なポイントが含まれています。

ポイント内容
最初の断り文句をそのまま受け取らない「外国人はいらない」は、本音ではなく営業電話への反応である可能性がある
1回目で売り込まない商品説明をせず、次に話す時間をもらう
2回目で採用課題を聞く緊急募集や必要人数を確認する
人物像を早く提示する既存業者に確認される前に判断材料を渡す
面談前提で進める「検討してください」ではなく「いつ面談しますか」と進める
契約書まで同時に進める相手の採用スピードに合わせて行動する

特に人材営業では、スピードが重要です。

相手が採用を急いでいる場合、提案の早さが受注率に直結します。

採用課題が明確になった後は、候補者情報、面談設定、契約手続きまでを一気に進める必要があります。

ここで動きが遅いと、既存業者や競合他社に確認され、商談が止まる可能性があります。

つまり、2回目の電話で採用課題が顕在化した後は、「検討してもらう」のではなく、「進める前提」で次のアクションを設計することが重要です。

人材会社の営業で重要なのは順番である

人材会社の営業では、何を伝えるかも大切ですが、それ以上に順番が重要です。

悪い順番は以下です。

悪い営業の流れ

STEP
商品名を伝える

STEP
サービス説明をする

STEP
候補者情報を話す

STEP
興味があるか聞く

STEP
断られる

この順番では、相手が課題を考える前に売り込みが始まっています。

成果につながりやすい営業の流れ

STEP
採用状況に関係する切り口で受付突破する

STEP
1回目の電話で短く興味付けする

STEP
詳しく説明する前に次回時間をもらう

STEP
2回目で欲しい人物像を確認する

STEP
必要人数や採用時期を確認する

STEP
相手が欲しい人材像を言語化する

STEP
その条件に対する解決策として商品を出す

この順番に変えるだけで、相手の受け取り方は大きく変わります。

同じ提案でも、最初に言えば営業電話です。
採用条件を確認した後に出せば、課題解決の選択肢になります。

人材会社がアポ率を上げるために見直すべきこと

人材会社がアポ率を上げるためには、以下を見直す必要があります。

  • 人材営業では、相手の採用条件が曖昧なまま提案しても受注につながりません。

性別、年齢、日本語レベル、夜勤対応、経験、人柄、国籍、採用人数、採用時期などを確認し、相手に合う提案を行う必要があります。

また、営業担当者ごとの感覚に任せるのではなく、数字で改善することも重要です。

受付突破率、担当者接続率、アポ率、商談実施率、受注率を分解して見ることで、どこに改善余地があるのかが明確になります。

よくある質問

人材会社のテレアポで最初に何を伝えるべきですか?

最初に伝えるべきなのは、商品名ではなく、相手企業の採用状況に関係する要件です。

人材紹介、派遣、特定技能、外国人採用などのサービス名を先に伝えると、営業電話だと判断されやすくなります。

今回の事例では、「求人票を見たのですが、採用のご担当者様はいらっしゃいますか?」という形で、採用状況に関係する切り口から入りました。

なぜ1回目の電話で特定技能と言わない方がよいのですか?

理由は、相手が制度を難しそうだと思うからではありません。

本当の理由は、同じカテゴリの営業だと判断されるからです。

企業にはすでに特定技能や外国人採用の営業電話が多く届いています。
そのため、最初に特定技能と伝えると、内容を聞く前に既存業者との比較や断りに入ってしまいます。

1回目の電話では何を目的にすべきですか?

1回目の目的は、商品説明ではなく、次に話す時間をもらうことです。

目安は2〜3分です。

1回目で詳しく説明しようとすると、質問が増え、断る理由も増えてしまいます。

2回目の電話では何を聞くべきですか?

2回目では、欲しい人物像を明確にします。

具体的には、性別、年齢、日本語レベル、夜勤対応、経験、人柄、国籍、採用人数、採用時期などを確認します。

この条件が明確になった後で、初めて解決策を提案します。

アポ率を上げるために最も重要な改善は何ですか?

今回の事例で最も大きかった改善は、電話を2回に分けたことです。

1回目は時間をもらうだけにし、2回目で採用条件を確認する。

この順番に変えることで、1回目の電話で余計な説明をせずに済み、相手に断る理由を与えにくくなりました。

受注率を高めるには何が必要ですか?

受注率を高めるには、アポの質を高める必要があります。

単にアポを取るのではなく、相手の採用条件、必要人数、採用時期を確認したうえで、提案可能な企業に絞ることが重要です。

また、採用課題が明確になった後は、候補者情報、面談設定、契約書の準備までスピード感を持って進めることが重要です。

まとめ

人材会社が法人営業でアポイントを獲得するために重要なのは、商品説明を上手くすることではありません。

重要なのは、相手が断る前に、採用課題に関心を向けてもらうことです。

今回の事例では、介護施設向けの特定技能営業において、総架電数に対してアポ率10%、商談実施数に対して受注率60%という結果を出すことができました。

成果につながった主な理由は、以下です。

成果につながった要素内容
1回目で商品名を出さない最初から比較対象に入らない
電話を2回に分ける1回目は時間獲得、2回目は条件確認に集中する
採用条件を先に聞く相手が欲しい人物像を明確にする
候補者情報を条件とセットで出す提案の納得感を高める
スピード感を持って進める緊急度が高い案件を逃さない
数字で改善する感覚ではなくデータで営業を修正する

営業成果を左右するのは、商品そのものではありません。

誰に、どの順番で、何を伝えるかです。

人材紹介、派遣、求人広告、特定技能、外国人紹介、採用支援など、どのサービスであっても、商品から入る営業は断られやすくなります。

まずは相手の採用状況に関心を向ける。

次に、欲しい人物像を明確にする。

そのうえで、解決策としてサービスを提案する。

この順番を徹底することで、人材会社のアポ獲得率は大きく改善できます。

人材会社のアポ獲得に課題がある企業様へ

弊社では、人材会社・採用支援会社向けに、法人営業のアポイント獲得支援と営業戦略設計を行っています。

単に架電数を増やすのではなく、受付突破率、担当者接続率、アポ率、商談実施率、受注率を分解し、データに基づいて営業改善を行う点が特徴です。

今回ご紹介したように、特定技能領域では、総架電数に対してアポ率10%、商談実施数に対して受注率60%を実現した事例があります。

現在、

「人材紹介と伝えた瞬間に断られる」

「受付で止まってしまう」

「担当者につながっても興味を持ってもらえない」

「資料送付で終わってしまう」

「アポは取れるが受注につながらない」

「営業担当者によって成果にばらつきがある」

「営業をデータで改善したい」

といった課題をお持ちでしたら、お気軽にご相談ください。

実際の架電データやトーク改善の考え方をもとに、貴社の営業活動に活かせる情報をご提供します。

必ずしもサービス利用を前提とした商談ではなく、情報交換という形でも構いません。

人材会社の営業活動を、感覚ではなくデータに基づいて改善したい企業様は、ぜひ一度ご相談ください。

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この記事を書いた人

テレアポ営業・インサイドセールスを専門とし、数多くの商談創出を担当。単なるアポイント獲得ではなく、受注につながる質の高い商談設定を得意としている。
これまでさまざまな業界・商材の営業支援に携わり、受付突破から決裁者アプローチ、商談化までのプロセス設計を経験。
本メディアでは、テレアポ手法、アポイント獲得ノウハウ、インサイドセールス運用に関する情報を発信。

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