新人営業が覚えるべき決裁者へのつなぎ方

「決裁者に会えない・・・」
営業活動で見直すべきこと
新人営業が覚えるべき「担当者商談で終わらせない」営業の進め方
営業でよくある失敗の一つが、担当者とは話せているのに、責任者に会えていないという状態です。
担当者は前向きに話を聞いてくれる。
「資料をください」と言ってくれる。
「社内で共有します」と言ってくれる。
しかし、その後に商談が止まる。
これは、営業資料が悪いとか、説明が下手という以前に、最初から判断できる人に会えていないことが原因になっている場合があります。
新人営業にまず理解してほしいのは、営業は「アポを取ればいい」のではなく、判断が進む相手と商談を設定することが大事だということです。
全体の流れ
営業活動は、この3段階で考えると分かりやすいです。
| フェーズ | やるべきこと | 目的 |
|---|---|---|
| テレアポ | 相手が責任者か確認する。曖昧なら商談前に事務経由で本人につないでもらう | 誰と商談するべきか見極める |
| 1回目商談 | 担当者だけなら、決裁者の判断基準を確認する | 2回目で責任者を出す流れを作る |
| 2回目商談 | 責任者に対して前提を確認し直す | 担当者との認識ズレを修正する |
この流れを意識せずに進めると、1回目商談で聞いた内容をもとに資料を作ったのに、2回目で責任者が出てきた瞬間に、
「聞いている話と違う」
「そこはうちの課題ではない」
「その提案の根拠は何ですか?」
となることがあります。
1. テレアポでやること
アポを取る前に、相手が責任者か確認する
テレアポで大事なのは、ただ日程を取ることではありません。
誰との日程を取るのかです。
担当者と話せた時点で安心してはいけません。
その人が責任者なのか、判断に関わる人なのかを確認する必要があります。
ただし、いきなり、
「〇〇様は決裁者ですか?」
と聞くと、少し強く聞こえます。
そのため、柔らかく確認します。
テレアポで使う確認トーク
経費削減系なら、
「ちなみに〇〇様は、経費削減や外部サービスの費用感についてご検討されるお立場でいらっしゃいますか?」
営業支援系なら、
「〇〇様は、営業開拓の方針や外部パートナーの利用についてご検討されるお立場でいらっしゃいますか?」
採用系なら、
「〇〇様は、採用活動や人材会社の利用についてご検討されるお立場でいらっしゃいますか?」
もう少し自然に聞くなら、
「〇〇様は、営業周りを管轄されているんですか?」
この質問で、相手の立場が見えてきます。
「はい、私が見ています」
「最終的には私が判断しています」
「私と上長で見ています」
であれば、そのまま商談設定に進めます。
一方で、
「一応、担当しています」
「確認はしています」
「必要に応じて上に共有します」
のように曖昧な返答であれば、責任者かどうか分かりません。
曖昧な返答だった場合、同じ電話で詰めない
新人営業がやりがちなのが、ここでさらに聞きすぎることです。
「最終決裁者はどなたですか?」
「本当に〇〇様が決めるんですか?」
「上司の方はいらっしゃいますか?」
と続けて聞くと、相手は警戒します。
テレアポでは、まだ関係性が浅いです。
一度聞いて曖昧だった場合、その場で詰めすぎないほうがいいです。
では、どうするか。
ここで使うのが、商談前の事前確認です。
商談前に責任者か分からなかったら、事務経由で本人につないでもらう
テレアポで担当者と日程は決まっている。
ただ、その方が責任者なのか、判断に関わる人なのかが曖昧。
この場合は、商談前にもう一度会社に電話します。
多くの場合、最初に事務の方や受付の方が出ます。
ここでやることは、事務の方に商談内容を説明することではありません。
目的は、すでに日程が決まっている担当者につないでもらうことです。
その上で、担当者本人に商談前のヒアリングを行います。
事務に伝えるトーク
営業系なら、
「お世話になっております。〇月〇日〇時に〇〇様と商談のお時間をいただいている件で、事前に確認したいことがありお電話いたしました。
〇〇様は営業部門の責任者様でいらっしゃいますでしょうか?可能でしたら〇〇様にお繋ぎいただけますでしょうか?」
採用系なら、
「お世話になっております。〇月〇日〇時に〇〇様と商談のお時間をいただいている件で、事前に確認したいことがありお電話いたしました。
〇〇様は採用周りをご担当されている責任者様でいらっしゃいますでしょうか?可能でしたら〇〇様にお繋ぎいただけますでしょうか?」
経費削減系なら、
「お世話になっております。〇月〇日〇時に〇〇様と商談のお時間をいただいている件で、事前に確認したいことがありお電話いたしました。
〇〇様は経費や外部サービスの見直しをご担当されている責任者様でいらっしゃいますでしょうか?可能でしたら〇〇様にお繋ぎいただけますでしょうか?」
営業支援系なら、
「お世話になっております。〇月〇日〇時に〇〇様と商談のお時間をいただいている件で、事前に確認したいことがありお電話いたしました。
〇〇様は営業開拓や営業方針を見られている責任者様でいらっしゃいますでしょうか?可能でしたら〇〇様にお繋ぎいただけますでしょうか?」
ここで大事なのは、事務の方に、
「責任者様にも参加してほしい」
「日程調整したい」
「今回の内容は費用感に関わるので」
と細かく話さないことです。
事務の方には、日程が決まっている商談の事前確認として、本人につないでもらうだけで問題ありません。
本人につながった後にやること
本人につながったら、まずは商談前のヒアリングを行います。
ここで、相手が責任者かどうかによって話し方を変えます。
〇〇様が責任者だった場合
〇〇様が責任者であれば、そのまま商談前ヒアリングをします。
「〇〇様、お世話になっております。〇月〇日〇時にお時間をいただいている件で、当日のお時間を無駄にしないために、事前に2、3点だけ確認させていただければと思いお電話いたしました。
今回、外部サービスの利用や費用感、今後の進め方をご検討されるのは〇〇様で認識相違ございませんでしょうか?」
そのうえで、商材に合わせて確認します。
経費削減系なら、
「今回、特に見直しを検討されている費用項目や、優先して削減したい領域はございますでしょうか?」
営業支援系なら、
「今回の営業開拓について、優先したいエリアやターゲットの規模感はございますでしょうか?」
採用系なら、
「今回の採用について、特にお困りなのは応募数、採用単価、定着、受け入れ体制のどのあたりになりますでしょうか?」
ここで事前にヒアリングしておくことで、当日の商談がかなり進めやすくなります。
〇〇様が責任者ではなかった場合
〇〇様が責任者ではなかった場合も、すぐに責任者同席の話だけをするのではなく、まずは商談前ヒアリングをします。
「ありがとうございます。では当日のお時間を無駄にしないために、〇〇様が現状把握されている範囲で問題ございませんので、2、3点だけ確認させてください。」
そのうえで、例えば次のように確認します。
「今回、社内で一番課題に感じられている点はどのあたりでしょうか?」
「上長や責任者の方に共有される際、特に見られそうなのは費用感、成果イメージ、導入後の運用負担のどちらになりそうでしょうか?」
「当日のお話が良さそうとなった場合、最終的にご判断されるのはどなたになりますでしょうか?」
ここまで聞いたうえで、責任者同席を打診します。
「ありがとうございます。今回の内容ですと、費用感や今後の進め方、最終的な判断基準にも関わってくるかと思います。
そのため、可能であれば責任者様にも冒頭15分だけご参加いただいたほうが、御社にとっても判断しやすいお時間になるかと思っております。
もちろん、〇〇様にもご参加いただいたうえで、責任者の方には必要な部分だけご確認いただく形で問題ございません。
〇〇様と責任者のお二方で、一度お時間を調整させていただくことは可能でしょうか?」
ポイントは、担当者を飛ばさないことです。
「責任者を出してください」ではなく、
「〇〇様と責任者のお二方で」
と伝える。
担当者の顔を立てながら、責任者を巻き込むことが大事です。
責任者に出てもらうための言い回し
担当者に責任者同席をお願いするときは、営業側の都合で話さないことです。
悪い言い方は、
「決裁者の方も出てもらえますか?」
です。
これだと、担当者からすると、
「自分ではダメなのか」
「上司を出せと言われている」
と感じる可能性があります。
良い言い方は、相手の判断がスムーズになる理由を伝えることです。
経費削減の場合
「実際、他の会社様でも、経費削減については一部の部署だけで進めるよりも、全体の経費削減の方針を統一することがかなり重要だということで、責任者様にもご参加いただいたケースが多くございます。
特に、どこまでを削減対象にするのか、既存の取引先との兼ね合いをどう見るのかによって、判断内容が変わってくるかと思います。
もちろん、ご都合が合わなければ15分ほどのご参加でも問題ございませんので、一度ここでスケジュールの調整を行わせていただけないでしょうか。
もし責任者様のご都合が難しいようでしたら、まずは〇〇様お一人でご参加いただく形でも問題ございません。
当日お時間を無駄にしないため、事前に確認させていただきたいのですが、現在〇〇様は外部サービスの利用や費用感、コスト削減に関する検討をされるお立場で認識相違ございませんでしょうか?」
このトークは、あくまで経費削減商材の場合の一例です。
新人営業の方は、このまま丸暗記するのではなく、自分が提案している商材に合わせてカスタマイズして使うことが大切です。
たとえば、ChatGPTなどに、
「この責任者同席のトークを、自分が提案している〇〇の商材に合わせて、自然な営業トーク集に修正してください」
と伝えると、自分の提案内容に合った言い回しにカスタマイズできます。
経費削減、人材採用、営業支援、SaaS、業務改善など、商材によって責任者が気にするポイントは変わります。
そのため、責任者同席をお願いする理由も、商材ごとに変える必要があります。
是非、自分の提案している商材に合わせて、自然なトーク集に修正して使ってください。
採用・人事の場合
「実際、他の介護施設でも、採用については現場責任者の方だけではなく、施設長や法人本部のご担当者様にもご参加いただくことで、受け入れ可否の判断がスムーズになったケースが多くございます。
特に、介護職員の採用や特定技能外国人の受け入れとなると、採用条件だけではなく、現場での教育体制やシフトへの組み込み、受け入れ後のフォロー体制も関わってくるかと思います。
もちろん、ご都合が合わなければ15分程度のご参加でも問題ございませんので、一度スケジュールの調整をさせていただけないでしょうか。
もし責任者の方のご都合が難しいようでしたら、まずは〇〇様お一人でご参加いただく形でも問題ございません。
当日お時間を無駄にしないため、事前に確認させていただきたいのですが、現在〇〇様は介護職員の採用や人材会社の利用、特定技能外国人の受け入れなどをご検討されるお立場で認識相違ございませんでしょうか?」
営業支援・営業代行の場合
「実際、営業開拓のご支援については、単にアポイントを取るだけではなく、どのエリアを優先するのか、どの規模の企業様を狙うのか、商談化の基準をどこに置くのかによって、成果の見え方が大きく変わってまいります。
そのため、他社様でも現場のご担当者様だけではなく、営業方針や予算感をご判断される責任者の方にも一部ご参加いただくことで、後々の認識ズレが少なくなったケースが多くございます。
可能であれば、責任者の方にも冒頭15分だけご参加いただき、今回の営業方針や優先順位だけ確認させていただければと思っております。
もちろん、ご都合が難しければ、まずは〇〇様お一人でご参加いただく形でも問題ございません。
ちなみに、今回の営業開拓について、ターゲット企業の規模や優先エリア、費用感をご検討されるのは〇〇様で認識相違ございませんでしょうか?」
2. 1回目商談でやること
担当者だけで出てきた場合、売り込みすぎない
テレアポで責任者同席を打診しても、実際の1回目商談に担当者だけが出てくることはあります。
その場合、新人営業がやってはいけないのは、いきなり全力で提案することです。
なぜなら、担当者だけの商談では、まだ本当の判断基準が分からないからです。
この段階で作り込んだ提案をしても、2回目に責任者が出てきた瞬間に、
「うちはそこを重視していません」
「その話は聞いていません」
「そもそも目的が違います」
となることがあります。
だから、1回目商談の目的は、受注を取りにいくことではありません。
2回目で責任者が参加する理由を作ることです。
1回目商談の冒頭で確認すること
担当者だけが出てきた場合は、冒頭でこの3つを確認します。
| 確認すること | 聞き方 |
|---|---|
| 最終的に誰が判断するのか | 「本日のお話が良さそうとなった場合、次に社内でご確認される方はどなたになりますか?」 |
| 何を見て判断されるのか | 「上長様が見られる際は、費用感・成果イメージ・運用負担のどのあたりを特に気にされそうでしょうか?」 |
| 資料は何のために使うのか | 「資料は情報共有用でしょうか?それとも導入可否を判断するための資料になりますでしょうか?」 |
この3つを聞かずに資料を作ると、意味のない資料になる可能性があります。
担当者だけの話をそのまま資料に入れると危険
担当者の話は大切です。
ただし、そのまま資料に入れるのは危険です。
担当者の発言は、あくまで現場目線の意見であることが多いです。
責任者が見ているのは、
- 費用対効果
- 予算
- 優先順位
- リスク
- 導入後の運用
- 会社全体への影響
です。
この違いを理解していないと、担当者には刺さるけど、責任者には刺さらない資料になります。
失敗例:担当者の言葉をそのまま資料に入れてしまう
実際に、こういう失敗があります。
ある人材会社に提案していたときの話です。
本社は東京。
相談内容は、東北地方の営業開拓。
派遣先のターゲットは工場。
商談に出てきたのは担当者でした。
その担当者から、こう言われました。
「小さい工場から狙ってほしい」
「地方だから、いろんな工場と密接につながりがあることが大事」
「うちも使っているよ、という状態にならないと大手工場には受け入れてもらえない」
新人営業だと、これをそのまま資料に入れてしまいがちです。
しかし、責任者がその資料を見たらどう感じるでしょうか。
と思われる可能性があります。
「なぜ小さい工場から狙うのか」
「大手を狙わない理由は何か」
「その地域性の根拠は何か」
「営業工数に対して採算は合うのか」
「その戦略は会社としての方針と合っているのか」
最悪の場合、
「この提案、レベルが低いな」
と思われます。
担当者が言ったことが悪いのではありません。
問題は、営業がそれを責任者向けの判断材料に変換できていないことです。
担当者の言葉は、こう変換する
| 担当者の言葉 | そのままだと危険な理由 | 資料に入れるなら |
|---|---|---|
| 小さい工場から狙いたい | 根拠がないと感覚論に見える | 初期開拓では中小規模工場を対象にテストし、反応率を検証する |
| 地方はつながりが大事 | 抽象的で説得力が弱い | エリア特性上、地域内実績や紹介が商談化率に影響する可能性がある |
| 大手工場は受け入れてくれない | 決めつけに見える | 大手工場は既存取引先・導入実績・信用面で参入障壁が高い可能性がある |
| うちも使っているよ、が必要 | 口語的で資料向きではない | 同エリア・同業種での実績を信用材料として活用する |
新人営業は、担当者の言葉をそのまま資料に書くのではなく、責任者が判断できる言葉に変える必要があります。
1回目商談の最後に必ず言うこと
担当者だけで1回目商談を行った場合、最後に必ず2回目商談の設計をします。
ここで、
「では、資料を送ります」
「社内でご確認お願いします」
だけで終わると、止まります。
最後はこう言います。
「本日お話を伺って、費用感やターゲットの優先順位、進め方の部分は責任者の方にも直接ご確認いただいたほうが、後々の認識ズレが少ないかと思いました。
〇〇様に一度お持ち帰りいただく形でも問題ないのですが、可能であれば次回、責任者様にも15分ほどご参加いただき、方向性だけ確認させていただけないでしょうか?」
この言い方なら、担当者の顔を潰しません。
「あなたでは判断できないですよね」ではなく、
「認識ズレを防ぐために責任者にも確認したい」という伝え方です。
資料提出を求められた時の言い回し
担当者から、
「資料を送ってください」
「上に共有します」
と言われた場合も、そのまま送ってはいけません。
こう確認します。
「ありがとうございます。上長の方にそのままご共有いただいても判断しやすい内容にしたいので、上長の方が特に気にされそうなのは、費用感・成果イメージ・導入後の運用負担のどちらになりそうでしょうか?」
さらに、
「今回の資料は、情報共有用として見られる形でしょうか?それとも、具体的に導入可否をご判断されるための資料になりますでしょうか?」
この確認をすることで、資料の方向性が決まります。
資料は、きれいに作ればいいわけではありません。
誰が、何を判断するために見るのかが大事です。
3. 2回目商談でやること
責任者が出てきたら、1回目の内容をそのまま進めない
2回目商談で責任者が出てきた場合、新人営業がやりがちなのが、1回目の内容をそのまま説明することです。
しかし、これは危険です。
なぜなら、担当者から聞いた内容と、責任者の認識が違うことがよくあるからです。
そのため、2回目商談では、最初に前提を確認し直します。
2回目商談の冒頭トーク
「本日はありがとうございます。前回〇〇様からお伺いした内容をもとに、本日お話しできればと思っております。
ただ、実際の優先順位や判断基準については、責任者の方のお考えとズレがあるといけないので、最初に5分ほどだけ前提を確認させてください。」
この一言が重要です。
これを言わずに提案を始めると、途中で、
「いや、そこじゃないです」
「その前提は違います」
となる可能性があります。
2回目商談で確認すること
責任者が出てきたら、次の3つを確認します。
| 確認すること | 聞き方 |
|---|---|
| 課題の優先順位 | 「今回、一番優先して解決したいのはどの部分でしょうか?」 |
| 判断基準 | 「導入を検討される場合、費用対効果・実績・運用負担のどこを一番重視されますか?」 |
| 担当者から聞いた内容とのズレ | 「前回〇〇様からは△△と伺っておりますが、責任者様の認識としても大きく相違ないでしょうか?」 |
この確認を入れるだけで、ズレた提案を防げます。
担当者の話と責任者の話が違った場合
2回目商談で、担当者から聞いた内容と責任者の話が違うことは普通にあります。
そのときに、
「前回はこう聞いていました」
と強く言ってはいけません。
担当者を責めているように聞こえるからです。
言い方はこうです。
「ありがとうございます。前回は〇〇様から現場目線で△△というお話を伺っておりました。
本日、責任者の方のお考えとしては□□の優先度が高いということでしたので、提案の方向性としては、△△よりも□□を中心に整理したほうがよろしいですね。」
このように言えば、担当者の話も尊重しながら、責任者の判断基準に合わせて修正できます。
2回目商談では、資料を説明するより前提修正が大事
2回目商談の目的は、作った資料をきれいに説明することではありません。
責任者の判断基準に合わせて、提案の前提を修正することです。
担当者から聞いた内容をもとに資料を作っていたとしても、責任者の認識が違えば、その場で切り替える必要があります。
たとえば、人材会社への営業開拓支援で、担当者からは、
「小さい工場から狙いたい」
と聞いていたとします。
しかし、責任者が出てきて、
「本当は中堅以上の工場を開拓したい」
「小規模工場は単価が合わない」
「既存取引先と被らないエリアを優先したい」
と言うかもしれません。
その場合は、すぐに方向転換します。
「承知しました。そうしますと、前回は小規模工場からの開拓というお話もございましたが、今回の目的としては、単価や継続性を考えて中堅以上の工場を優先したほうがよさそうですね。
その前提で、ターゲットリストとアプローチ方針を組み直したほうが、御社の目的には合いそうです。」
これができる営業は、責任者から信頼されます。
逆に、担当者から聞いた内容に固執すると、
「この営業は分かっていない」
と思われます。
新人営業が覚えるべきこと
新人営業に覚えてほしいのは、次の3つです。
1. テレアポでは、相手の立場を確認する
担当者なのか。
責任者なのか。
判断に関わる人なのか。
ここを確認せずにアポを取ると、商談後に止まりやすくなります。
曖昧な場合は、同じ電話で詰めずに、商談前に事務経由で本人につないでもらう。
ただし、事務に商談内容を細かく話す必要はありません。
事務には取次ぎまで行い、ヒアリングや責任者同席の打診は、担当者本人に行います。
2. 1回目商談では、担当者の話を鵜呑みにしない
担当者の話は大事です。
ただし、それは現場目線の情報であって、会社全体の判断基準とは限りません。
資料を作る前に、
「誰が見るのか」
「何を判断するのか」
「何を重視するのか」
を確認する必要があります。
3. 2回目商談では、責任者に前提を確認し直す
責任者が出てきたら、1回目の内容をそのまま話さない。
まず、
「前回伺った内容と、責任者様の認識にズレがないか」
を確認します。
ここを飛ばすと、資料説明の途中で話が崩れます。
最後に
営業で大事なのは、アポの数だけではありません。
判断が進む商談を作れているかです。
担当者と話せていても、責任者に届いていなければ商談は進みません。
担当者の話をもとに資料を作っても、責任者の判断基準とズレていれば意味のない資料になります。
だからこそ、営業の流れはこうです。
テレアポで相手の立場を確認する。
分からなければ、商談前に事務経由で本人につないでもらう。
本人につながったら、商談前ヒアリングをする。
責任者であれば、そのまま判断基準を確認する。
責任者でなければ、ヒアリングしたうえで責任者同席を打診する。
1回目商談で担当者だけなら、2回目に責任者を出す理由を作る。
2回目商談で責任者が出てきたら、前提を確認し直す。
新人営業ほど、商談が取れたことに安心してしまいます。
しかし、本当に見るべきなのは、
その商談が受注に近づく商談なのかです。

